
エジプトに命からがら帰還を果たすメンフィス一行。キャロルは依然として意識不明。
黒海沿岸に軍を進め、圧力を強めるトラキア王国との問題を解決するためにヒッタイトに帰国したイズミル王子は、父からタミュリス姫との婚儀を強引に推し進められ、これを回避する妙案が浮かばず苦悩し・・・。
ナイルの姫が重体との噂がバビロニア、アッシリアなどの近隣諸国にも伝わる中、イズミル王子は黒海沿岸のトラキア軍陣営の近くでトラキア王と会見。自分には結婚の意志がなく、父ヒッタイト王が無断で勝手に縁談を進めたことだと釈明し、低姿勢で破談を申し入れるが、一枚上手のトラキア王は辱めを受けた詫びとして単身トラキアを訪れて両国の友好をアピールするように要求。
武器を持たず、わずかな従者だけでトラキア陣営の近くで会見に臨んでいたイズミル王子が事前に打ち合わせた松明の合図でSOSを出すものの、動揺する臣下をよそにヒッタイト王は静観。そのままトラキアの船に乗せられるイズミル王子。
イズミル王子を乗せた船がトラキアに到着。トラキア王はヒッタイト王の名代として両国友好のためにイズミル王子を招待したとの体裁をとり、強引に婚儀に持ち込もうとするが、頑なに拒絶の意志を貫くイズミル王子。
とはいえ、多勢に無勢。ほどなくしてシタルケス王子が帰国。
エジプトではキャロルが未だベッド生活ではあるものの、順調に回復している様子にほっとするメンフィス。小言を言いつつも、幸せそう😊
イズミル王子がトラキアにいることは密偵の知らせによりエジプトにも伝わるが、タミュリス姫を気に入って結婚するのだろうと特別な感慨も湧かない風にさらりと口にするキャロル😓
トラキアのシタルケス王子がキャロルを暗殺しようとした事件に絡んで、トラキアについて何か知っているか物知りなキャロルに質問するメンフィス。襲われた理由は見当もつかないキャロルだったが、トラキアについては馬に人肉を餌として与えて戦闘用に育てる好戦的な民族だと、昔読んだ本の知識を伝授し、メンフィスと重臣たちを驚ろかすキャロル。
祝宴への出席を拒絶し続けるイズミル王子に他に選択肢はないと圧力をかけ、なんとかイズミル王子を宴に誘い出すことに成功するトラキア王。
下の者には尊大な態度だが、恋焦がれるイズミル王子を目の前にすると、しなをつくって嬉しそうに恥じらうタミュリス姫。このたびの無礼を詫びるイズミル王子。来てくれただけで十分幸せだと返答するタミュリス姫。遠くからイズミル王子を思案気に観察するシタルケス王子。
すっかり元気になったキャロルは見舞客たちに顔を見せてお礼が言いたいと言い出し、広間へ向かうが、その瞬間を待ち構えていたトラキアの刺客がキャロルに襲い掛かり・・・。
間一髪、盾になって守るテティ。怒号を響かせながら駆け付けるメンフィス。後につづくミヌーエ、ヒューリア。テティは腕を刺されるが、命に別状なし。トラキアの刺客団は無念そうに退散。テティのケガに責任を感じて号泣するキャロル。
今回はイズミル王子のエピソードが多め。エジプトと半々。ネバメンはかつての脱獄仲間に目撃されたり、王宮で彼に不信感を抱く人たちが少しずつ増えているものの、今のところ大きな動きはないまま。 67巻はここまで。単行本の描き下ろしなし。