
エドワード王の逝去後、王妃弟・リヴァース伯は甥である王太子を擁立し、なし崩し的に摂政の地位に納まるべく動き出す。一方、王弟リチャードも、自ら軍を率いてノーサンプトンの離宮にいる王太子を迎えに行くが・・・。
それぞれの思惑で、王太子を迎えに行くリヴァース伯とリチャード。リチャードはリヴァース伯が大軍を率いているとの報告を受けていたが、先に到着したリヴァース伯のもとには少数の兵しかおらず、なぜか熱烈な歓迎を受ける。
対立関係にあるリヴァース伯に歓待されることを訝しく思いながらも夕食を供にするリチャード。酒がすすみ、すっかり泥酔したリヴァース伯を寝所に連れていくように従者に命じ、自身も護衛のケイツビ―を伴い、寝所に向かうリチャードだが、中庭を移動中に不審な物陰に気付いたケイツビ―がそちらを追っている間に、背後から別の男に襲われる。
男はリチャードを押し倒し、悪魔の証拠である両性具有の持ち主であることをばらされたくなければ騒ぐなと脅す。男の後ろからバッキンガムが現れ、妄言を否定しないのかと問いただす。 リチャードの手首を縛り、男に命じて服を切り裂いたバッキンガムは、眼前になまめかしく飛び込んできたリチャードの裸体に息をのむ。
自分は所詮悪魔として処刑される運命にすぎないのかと諦観し始めるリチャード。しかし、バッキンガムは、報酬の爵位と金を要求する男に対して、魂の安息を与えようと剣をふりかざす。次の瞬間、冷酷に男の首を切り落とすバッキンガム。
自分を処刑しないのかと驚くリチャードに、ウッドヴィル一族の陰謀を伝えたバッキンガムは、リチャードの艶めかしい裸体をまさぐりながら、初めてみたとき女だと思っていたが、想像していた通りの姿だとささやきながら、本当の望みを言えとリチャードをそそのかす。
「誰も知らないあんたを俺に捧げるなら、悪魔の半身になってやる。言え、本当にほしいものを」
心と体、両方の欲望をたきつけられるリチャード。
「・・・欲しい・・・王冠が・・・欲しい」
リチャードの本心を聞き、俺があんたに王冠をくれてやると宣言し、リチャードを抱くバッキンガム。
