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2012年7月19日木曜日

さいとうちほ『花音』全6巻感想&あらすじ


作品名 : 花音
漫画家 : さいとうちほ
出版  : 単行本 全6巻
文庫本 全3巻
ジャンル: バイオリニスト 恋愛
トーン : シリアス
試し読み: 花音

[作品紹介]
月刊漫画雑誌『プチコミック』(小学館)にて1995年7月号~1997年9月号に連載された作品。単行本全6巻、文庫版全3巻。第42回(平成8年度)小学館漫画賞受賞作品。

[出版社のあらすじ]
モンゴルの小さな草原の町で生まれ育った日本人少女・花音はバイオリンの天賦の才能を持っていた。モンゴルに取材に来ていた若き作曲家、河原天童は彼女の秘められた才能に気づき、日本に連れていく。

生前、母が「バイオリンを弾き続ければ、音楽家の父にめぐり合える」と言い残した言葉を手がかりに、花音はバイオリニストの道を歩みながら、父親探しを続ける。そして、花音の奏でる音色と才能に惹かれた天才指揮者・三神弦の後押しもあり、確実にバイオリニストとして成長していく。そんななか、花音の父親と思われる3人の音楽家の存在が浮かび上がってくる。

[感想]
音楽家として天賦の才能を持ちながらも、我流で荒削りでまだまだ未熟な花音が、真のバイオリニストとしてステップアップする成長物語。ロマンスと父親探しが重要な要素として織り込まれており、山あり谷ありのドラマチックなストーリー展開が魅力の作品。

花音がバイオリニストとして成長していく原動力になっているのは、まだ見ぬ父親の存在と、彼女を支えてくれる2人の男の存在。一人は心優しく、お兄さん的存在の天童。そして、もう一人は厳格で根っからの音楽家の三神。

結末は王道的なハッピーエンドとは言い難いのですが、個人的にはこういう締めくくりもありかなと思いました。音楽家ならではの2人の決意、とでも言いましょうか。

以下はクライマックスを含めたあらすじ:

[☆ネタバレ注意☆]

はじめは日本に連れてきた天童に懐いていた花音だが、やがて自分を指導してくれる鬼才・三神に惹かれ始める。その後、花音と三神は恋人同士になるが、幸せも束の間、衝撃の事実が発覚する。なんと二人は親子だったことが判明(三神は14歳のときに24歳の花音母と出会い、愛し合うようになるが、一夜を共にした夜、花音母は一人モンゴルへと旅立つ)。

親子でも好きな気持ちを止められないと思う花音に対して、三神はまだ若い花音の将来を思い、身を引く決意をする。三神の別れの言葉に打ちのめされ、バイオリンを引く気力もなくしてしまう花音を天童は根気良く励まし、支え続ける。そのおかげで、なんとかバイオリンを続けた花音は、4年後、小さなコンサートを成功させ、こっそり聴きに来ていた三神と再会を果たす。

花音に特別な想いを抱く三神の気持ちに気づいた天童は、三神が花音のために作った曲をコンサートプログラムに組み込んでいることを知り、それを花音に伝え、2人を共演させようと取り計らう。

再会し、気持ちが再燃した花音に対して、自分たちには恋愛以上の深いつながりがあると諭す三神。それは、音楽だという。

「音楽だけがオレたちの関係を受け入れてくれる。別のものに生まれ変わらせることができる。オレの魂まで表現しきれる人間は、花音しかいない。そのための出会いだったと思いたい。」

三神が作った曲を弾き、本当の意味で彼の投げかけた言葉を理解する花音。

「音楽だけが私たちを受け入れてくれる。父親でも、恋人でもない。私達の関係を別のものに生まれ変わらせることができる・・・」

三神と花音の奏でる音楽を聞き、会場で涙を流す天童。コンサートを終えた花音は、ずっと支えてくれた天童のもとへと駆けていくのだった。



花音


[単行本]

花音 1
バイオリンを天才的に弾きこなす、モンゴルで生まれ育った日本人少女・花音(かのん)。父親を知らずに育った花音は、母親が事故死したあと、音楽家以外なんの手がかりもない父親を捜すため、バイオリニストへの道を歩む決意をする…。


花音 2
天童の渡米で、ひとりになった花音は、若き天才指揮者・三神が理事長を務める音楽学校に入学する。花音は学内コンサートで三神の指揮のもと演奏することに。しかし、特別扱いを受けている花音は、強情な性格も災いして、他の生徒たちから浮いてしまい…。


花音 3
父親かもしれない音楽家のひとり・沢浩基に、「父さん」と呼びかけた花音。だが、彼は激しく動揺して逃げて行ってしまった。その様子に、自分は生まれることを望まれなかった子供なのかと悩む花音だったが、沢の動揺の影には思いがけない秘密が…。


花音 4
父親かもしれない梶原のパーティーに、三神とともに出席した花音。だがそれは、三神を自分のものにしようと企む梶原の罠であった。捕らえられたふたりに、梶原のみだらな手が迫る。はたしてふたりに逃れる術はあるのか…。


花音 5
三神が結婚したことで落ち込む花音。だが、すぐに三神は花音のいる学校に戻ってきた。しかも、花音の父親かもしれない指揮者のケント・グレゴリーを連れて。自分の父親なのかどうか確かめるため、グレゴリーに接近する花音は…。


花音 6
花音の父親・グレゴリーが急逝したあと、ついに花音と三神は結ばれた。幸せに包まれるふたりは一路日本へ。一方、天童はグレゴリーの遺書を発見。その遺書には、花音の本当の父親の名前が書いてあった。その名前は…。

[文庫本]

【中古】 【コミックセット】花音−かのん−(文庫版)(全3巻)




花音









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