月刊 プリンセス 2013年 10月号 [雑誌]
トラキアのシタルケス王子によるキャロル暗殺計画は失敗に終わる――キャロルが自分を手当したハピと同一人物だと知った王子は・・・!?
奥宮殿へ侵入しておきながらキャロルを殺せなかったと悔しがるシタルケス王子。
「しっかし あの小生意気な小娘が王妃だったとはっ いったいどういうことだ」
当のキャロルは、トラキアの商人がなぜ自分を殺そうとするのかわからず、ただただ動揺する。
イムホテップ宰相は警備兵・衛兵に命じて、城内から水門、そしてナイル河一帯をくまなく大捜査させるが、暗殺者は見つからなかった。
“トラキア王国はいま わがエジプトとの国交はない・・・遠い異国のトラキア人がなぜ!わが姫君の殺害を謀ったのか”
エジプトの警備兵をかわして潜伏先に戻ったシタルケス王子は、顔を赤らめ、ソワソワとなにやら落ち着かない様子。
”イズミル王子の心をとらえてはなさぬ美しい姫・・・・姫と・・・話をしてみたい・・・いや!ならぬ!わがトラキア王国とヒッタイト王国との婚姻による強い絆のために!タミュリスの恋をかなえてイズミル王子の花嫁にするのだ。なんとしても・・・あの姫を切り捨てねば”
さっそく、シタルケス王子が、次なる策を練り始める中、キャロルは、いつも以上に厳重に警護され、新都の工事現場へ視察に出掛けた・・・。