プリンセス 2016年 03 月号 [雑誌]
愛憎うずまくヌビアの地に舞い上がる大砂塵!!一寸先も見えぬ決戦の結末は・・・!?
キャロルの脱出に気付いたタヌト妃の差し向けた追っ手により、キャロルたちは川岸の赤岩に追いつめられてしまう。キャロルを捕らえて、木に縛りつけるように命じるタヌト妃に激高したメンフィスは、なんとしてもキャロルを守れとエジプト兵に号令をかけ、向かってくるヌビア兵を蹴散らしながら川岸に向けて突っ走る。
その頃、ウナスとルカと少数のエジプト兵たちは赤岩にキャロルを隠し、襲い掛かってくる追手から身体を張ってキャロルを守っていた。そこへ、メンフィス一行がようやく追いつき、助太刀に入る。メンフィスは、ずば抜けた跳躍力を見せながら、岩から岩へ飛び移り、キャロルのもとへとたどり着く。しっかりいたせ、と優しく抱きしめられたキャロルは、大切な人のぬくもりを感じ、意識を取り戻す。メンフィスが無事だったと知ったキャロルは、安堵のあまり、メンフィスの胸に縋り付きながら泣きじゃくるが、メンフィスの表情は硬いまま。赤岩のまわりは大勢のヌビア兵に囲まれていた。
赤岩の周りを十重二十重に包囲するように命じるタヌト妃。もはやメンフィスたちに勝ち目はなくなったと高笑いするタヌト妃だったが、ウナスから川下に小舟を用意していると伝えられたメンフィスには何やら秘策があるようだ。一方、キャロルは、意識が朦朧しつつも、遠くから聞こえてくる不気味な音に気付き、メンフィスに不安を伝える。だんだんと高くなってくる音は、どうやら、おびただしい馬のひづめのようで・・・敵か味方か、この戦乱の地へ何者かが近づく・・・。
6月号につづく。