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2016年4月15日金曜日

田村由美『BASARA』全27巻感想

作品名 : BASARA
漫画家 : 田村由美
出版  : 単行本全27巻
白泉社(2020/8~2022/4)
ジャンル: 戦国ファンタジー
トーン : シリアス せつない
試し読み: BASARA

[内容紹介]
『別冊少女コミック』(小学館)1990年9月号~1998年6月号連載作品。単行本は全27巻。平成4年度(第38回)小学館漫画賞受賞。1998年にテレビアニメ化された。

[あらすじ]
文明が滅びて数百年、暴君に支配されたこの国に生を受けた双子、タタラと更紗。タタラは、「長じて後、人民を率い国を救う」と予言された「運命の子供」 だった。ある夜、村に西の地を治める赤の王の軍勢がやって来る。更紗の目の前で殺される、タタラと父。運命の子供の死に絶望し、焼け落ちる村と運命を共に しようとする村人達を救うため、更紗は髪を切り、タタラを名乗って立ちあがった。自由とはなにか、政治とはなにか、そして、贖罪とはなにかということを、強烈に問いかける!

[感想]
この作品を超える少女漫画に私はまだ出会えていません。ストーリー、キャラクター、心理描写、すべての要素が高度に組み合わさって、絶妙にバランスがとれている作品。

長編にも関わらず、ストーリー運びに無駄な部分や中だるみを感じさせず、冒頭から緊張感が漲る怒涛の展開で読者を魅了し、のめりこませる中毒性の高いシリーズ。

仇敵とも知らずに惹かれ合うヒロインと赤の王とのせつない関係、乱世にあって英雄として祭り上げられるヒロインが直面していくことになる壮絶な苦悩。

選ばれし者とは何か、敵とは何か、敵味方それぞれの人生が誠実に描かれていて、単なるヒロイン側の正義を振りかざすだけの英雄譚にとどまらない深いメッセージ性を感じます。

敵も味方も同じ人間。一方向の視点に終始することなく、敵味方一人一人の人生の重みが加わることで、この壮大な世界観が創りあげられているのだなと感嘆。


BASARA


BASARA 2


BASARA 7


BASARA 9


BASARA 14


BASARA 18


BASARA 22


BASARA 27





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