
作品名 : | 薔薇のジョゼフィーヌ |
漫画家 : | いがらしゆみこ |
原作 : | 落合薫 |
出版 : | 全4巻 |
ジャンル: | 歴史 恋愛 |
トーン : | ほのぼの シリアス |
試し読み: |
[内容紹介]
雑誌『プリンセスGOLD』2011年10月号~2014年1月号連載作品。
[あらすじ]
[あらすじ]
カリブ海に浮かぶフランスの植民地・マルチニーク島に生まれた貧乏貴族の娘・ローズ。ある日、占い師に「王妃以上の存在になる」と言われた彼女は、やがて本国フランスに渡り……!? 激動のフランス史に咲く一輪の薔薇、ナポレオンの妻・ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネの物語!!
[感想]
ナポレオンが一番愛した女性ともいわれる最初の妻ジョゼフィーヌの生涯をドラマチックに描いた作品。
仏領のカリブの島でのびのび育ったジョゼフィーヌの幼少時代からはじまり、前半は彼女の最初の結婚生活や、のちに歴史に名を残すことになる二人の子供たちのこと、そして、フランス革命が勃発し、命の危険にさらされながらもたくましく激動の時代を潜り抜けていく様子、後半はナポレオンとのなれそめや彼女の後半生が描かれています。
ヒロインであるジョゼフィーヌの生涯は、史実を参考にしつつも、大胆にアレンジして描かれており、例えば父と使用人との間にうまれた異母弟アガトが生涯に渡ってジョゼフィーヌの精神的支えとなり、ナポレオンとの結婚を後押したり、彼の腹心となっていくなどキーパーソンとして登場します。
史実のジョゼフィーヌは恋多き女、あるいは貴族的生活を続けるために愛人稼業をしていたと言われており、ナポレオンと結婚した後もしばらく浮気を繰り返していたため、ナポレオンが悲嘆にくれて浮気をしないでくれと懇願する手紙が残っているほど奔放な女性とのことですが、この漫画ではそういう部分は一切描かれていません。
ヒロインであるジョゼフィーヌの生涯は、史実を参考にしつつも、大胆にアレンジして描かれており、例えば父と使用人との間にうまれた異母弟アガトが生涯に渡ってジョゼフィーヌの精神的支えとなり、ナポレオンとの結婚を後押したり、彼の腹心となっていくなどキーパーソンとして登場します。
史実のジョゼフィーヌは恋多き女、あるいは貴族的生活を続けるために愛人稼業をしていたと言われており、ナポレオンと結婚した後もしばらく浮気を繰り返していたため、ナポレオンが悲嘆にくれて浮気をしないでくれと懇願する手紙が残っているほど奔放な女性とのことですが、この漫画ではそういう部分は一切描かれていません。
この漫画のジョゼフィーヌは貞淑そのもので、少し泣き虫だけど慈悲深い皇后として、女性的可愛らしさと無邪気さが強調されています。
フランスの民衆に慕われていた史実のジョゼフィーヌ皇后も、気さくで朗らかな性格の持ち主であったとされていて、ナポレオンとの結婚では最初は浮気をしていた彼女も次第にナポレオンを本気で愛するようになり、世継ぎのことで離縁された後もナポレオンの良き相談相手になり、彼が失脚・凋落した後も変わらず愛し続けた数少ない人物と言われているので、なかなか腹の据わった、気骨のある人物であったことは間違いなさそうですね。
また、実際のナポレオンは複数の女性と関係を持っていましたが、この漫画では奥手な無骨男として描かれています。二人の間に子供が恵まれず、世継ぎのことでジョゼフィーヌと離婚した後も、彼女を愛し続けた一途な男として描かれていますが、史実上のナポレオンの最期の言葉も”ジョゼフィーヌ”であったというから、二人の精神的なつながりは実際に強かったようですね。
この物語は全くのフィクションというわけではなく、2人の愛を強調するためにいろいろとアレンジが加えられているといえそうです。歴史モノとして読むと、多少マイルドすぎるというか、美談を意識しすぎている気もしますが、個人的には異母弟アガトの存在も味わい深く、ドラマチックな演出が効いていて楽しく読めた作品。
この作品の中で少しだけ触れられたジョゼフィーヌのイトコとされる海賊にさらわれてトルコ皇帝のハーレムに献上されたと伝えられる波乱万丈なエイメの人生もぜひ漫画化してほしいです。スピンオフ希望。

