
村を出て見知らぬ街で新しい人生をスタートさせたマルグリット。しかし、そこでルネたちに再会して・・・。
マルグリット(二コラ)のことを男の子だと思い込んでいるレオは、女装してまで酒場で働かざるをえないなんてよほど深い事情があるのだろうと早合点し、驚いて固まっているマルグリットに、お金に困っているならルネの護衛をやらないかと誘う。
命の恩人である二コラの助けになるならばと護衛の仕事についてぺらぺらと説明するレオに、二コラが混乱してるよと止めに入るルネ。 すると、「二コラじゃない、マギーだ」とドヤ顔でルネの言葉を訂正したレオは、このことは誰にも言わないから安心しろと念を押して去っていく。
酒場でお客さんの前に出ていく前に、私はマギー、私はマギーとつぶやいて気持ちを落ちつかせるマルグリット。その様子をこっそり見ていたレオから、練習とか大変だなと声をかけられ、ギョッとする。隣で何も言わずに笑顔をみせるルネ。
マルグリットは酒場のお客さん同士の会話から、ルナリア王国がロレンディアに戦争を仕掛けて自滅したと思われていることを知り、愕然とする。攻め込んできたのはロレンディアの方なのにと心がかき乱されて、思わず酒場を飛び出し、物置小屋に逃げ込むマルグリット。その日以来、マルグリットの様子がおかしいことを心配するエステル。
それからしばらく経ったある日のこと、レオとルネがやってきてマルグリットを市場に連れていきたいと誘う。良い気分転換になるのではないかと考えたエステルは、店のことは気にしなくていいからとマルグリットを明るく送り出す。
訪れた市場でルナリア産の毛織物を見つけたマルグリットは思わず涙ぐんでしまう。ちょうどその日は、”氷の王妃”と呼ばれるロレンディア王妃がこの街を視察することになっており、市場は活況を見せていた。しかし、そのことを店主が楽しそうに話し始めた途端、ルネが露骨に顔色を変え、不機嫌そうな表情になる。驚いたマルグリットからどうかしたのかと声をかけられ、あわてていつもの柔和なルネにもどるが・・・。
多くの見物人に交じって、王妃の行幸を見物するマルグリット。祖国を消し去った王妃の顔をしっかり目に焼き付けるんだと唇をかみしめていると、王妃が目の前まで歩いてくる。「この王妃が祖国を・・・」と凝視していたマルグリットが、ふと隣の男に視線を移した次の瞬間、悪夢が鮮明にフラッシュバックする。怒りに打ち震えるマルグリット。あいつだ!あの日、父様と母様、皆を殺した!!思わず、飛び出そうとしたマルグリットだが、その動きより一足早く、マント姿の男が剣を抜いて、王妃とルビニスという男にとびかかっていく。ルナリアの残党だと周囲がざわつく中、兵士たちに囲まれそうになった男が負傷しながらも包囲網を突破し、逃走する。
思わず、男を追いかけるマルグリット。子供を斬りたくないから失せろという男だが、マルグリットは自分が囮になるから必ず生き延びてと男に声をかける。マルグリットの顔を見て、はっと何かを言いかける男。男のマントを奪い、去っていくマルグリット。
衛兵から逃れようとして脇道から大通りへ走り抜けたマルグリットは、ちょうど王妃の行幸中の馬車の前に行く手を阻む形で飛び出してしまい・・・。
12月号に続く

[感想]
ルネはロレンディア王国の王子の可能性が濃厚になってきましたね。滅ぼした国の王子と滅ぼされた国の王女が巡り合うドラマチックなストーリー展開。マルグリットとのこともさることながら、王妃の行幸中に普通に市場にいるルネはいったいどういう立場に置かれているのかも気になるところです。
