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2022年8月2日火曜日

『天空の玉座』第11巻(最終巻)ネタバレ感想【青木朋】


天空の玉座 11
秋田書店 (2019/1/16)

2話~56話(最終話)+イラスト入りあとがき2P収録。 

 最終巻は“歴史漫画”色が濃厚に。主要メンバー全員にスポットが当たり、珊瑚は仮のヒロインとしての役割にとどまった印象。 

元宵節(その年最初の満月の日の祭り)にいよいよ脱出決行。灯篭見物のためにその日に限り、宮中の門は夜まで開いていたおかげで、難なく脱出に成功する皇帝(病已)と珊瑚。 

 仮死状態の知花を乗せた馬車は御者になりすました鉄扇の誘導で北京郊外の火葬場へ向かうふりをして紫禁城を抜け出した皇帝と珊瑚と合流するが、先回りしていた蓬莱に見つかってしまい・・・。 

その場で3人を射殺しようとする蓬莱を必死に止める珊瑚。自分は戻って蓬莱に協力するから、馬車にいる皆(皇帝と知花と鉄扇)を助けてほしいと。懇願する珊瑚にしたり顔で取引成立だと告げる蓬莱。 

 その後、鉄扇と病已たちは山東省に潜伏中の王五・孟良のもとに向かい、一報を受けて駆け付けた譚嗣堂とも合流。 皇帝が味方についたことで全国の反乱軍を集めて太后討伐軍を結成した譚嗣堂たちは官軍になり、皇太后が朝敵になって一気に形勢逆転。 

瑶池と蓬莱の対決は蓬莱の圧勝。宦官の瑶池には本来いるはずのない妻子がいたことを蓬莱に追及され全面降伏。家族への思いだけは本物だった瑶池に情けをかける蓬莱。 

 そして、迎えた秋。蓬莱の計画通り、姫家の女性の一人が男児を出産し、皇帝と珊瑚の子供として発表。それから数日、世継ぎを生んで邪魔な存在になった珊瑚を娘娘が毒殺しようとするのを事前に阻止した蓬莱がついに娘娘に反旗を翻す。

その頃には娘娘の側近たちがことどとく蓬莱に寝返り、娘娘に味方するものは誰もいなくなっていたという、あまりにあっけない幕切れ。でもそこが逆にリアルな感じがしました。権勢をほしいままにしても、小さな綻びからあっという間に転落するんだなぁと。投獄→毒殺。

その後、生まれて間もない姫家の男児=偽りの皇太子が皇帝になる即位式が蓬莱主導で行われるものの、式典の最中に珊瑚が皇帝(病已)はまだ生きていると宣言。その直後に反乱軍がなだれ込んできて皇帝が姿を現し・・・という展開。

クライマックスは珊瑚と蓬莱の兄妹愛。悪役として有終の美を飾る蓬莱に全部持って行かれました!なのでその後のお話はダイジェストに。

この物語の真の主人公は蓬莱だったということなのでしょうね。 

皇帝に復帰した病已は相変わらず影が薄いままでしたが、腐敗した政治を立て直すために彼なりに頑張ろうと努力する姿を最後に見ることが出来ました。後宮は解散、宦官の廃止を決定。珊瑚はそんな病已と知花を見守りつつ、孤児の保護施設の運営を手伝ったり・・・。 

モンゴル勢が10巻以降全く出てこなかったのが残念。アルタンと結ばれるところまで描いてほしかったなぁ。

モンゴル編熱望👏



天空の玉座 11





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