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漫画家 : | 細川智栄子 |
出版 : | 単行本 既刊66巻 文庫本 既刊25巻 |
ジャンル: | タイムトリップ 古代エジプト |
トーン : | シリアス せつない ほのぼの |
試し読み: |
[作品紹介]
秋田書店発行『月刊プリンセス』1976年10月号より長期連載中。第36回(平成2年度)小学館漫画賞少女部門受賞。2016年8月、ミュージカル化され、帝国劇場にて上演。
[あらすじ]
アメリカの大富豪令嬢であるキャロル(16歳)は、大好きな考古学を学ぶためにエジプトに留学中、怨念を抱いて現代に甦ったエジプト王女アイシスの怒りを買い、古代エジプトにタイムスリップしてしまう。
古代エジプトでのキャロルは、若き王メンフィスに見初められ、やがて2人は愛し合うようになるが、キャロルの存在を憎むアイシス一派や、現代人の英知と金髪碧眼の可憐な容姿を兼ね備えたキャロルの奪取を狙う諸国の王族が2人の間に立ちふさがり、数々の危機に直面して……。
[各巻詳細あらすじ]
単行本&雑誌連載(未刊行)のあらすじ・ネタバレ感想はこちら
[感想]
※下記の感想は2012年5月28日公開当時のものです。上記リンクの雑誌連載&単行本あらすじは随時更新中。
20世紀(最新の文庫本では21世紀に変更)のアメリカに生まれた16歳の少女が、呪いをかけられ、古代エジプトへタイムスリップ。ヒロインはいったいどうなってしまうのか?冒頭からハラハラドキドキの展開で好奇心を掻き立てられます。
メンフィスから逃げ回っていたキャロルが恋心を自覚し、2人が結ばれるまでの紆余曲折のエピソードが見どころ満載。 火のように激しい気性で臣下に恐れられ、勇猛果敢な統治者として民に崇められるメンフィス王が20世紀から来た金髪碧眼の少女に魅せられ、燃えるような激しい恋をし、幾多の危機を乗り越えて結ばれる過程がエネルギッシュに描かれています。
作風はシリアスながらユーモアたっぷり。王国内でのいろんな策謀や諸外国との戦争に巻き込まれるという波乱万丈なストーリーながら、随所にユーモラスなエピソードも盛り込まれているので、心和む場面も多くあります。主役カップルのじゃれあい、古代の日常生活の物珍しさ、お茶目な侍女テティ、いつもキャロルのおテンバに手を焼く護衛ウナスとルカ、毎回ふらりとあらわれ、キャロルを危機から救う商人ハサンなど、脇役との触れ合いも楽しさ満点。個性あふれる脇役の存在がこの物語をより面白くさせていると言っても過言ではないでしょう。そして、アイシス、イズミル王子など、強力なライバルの存在も物語の外せないスパイスとなっています。
物語は現在も進行中。単行本では56巻(来月57巻発売)まで出版され、雑誌で軽く2年分を超えるお話がたまっていますが、キャロルは多分まだ17歳。連載37年目ですが、キャロルはほとんど歳をとっていないのです😏
メンフィスと出会ってから、ごく短い間にキャロルの身にはそれはそれはたくさんのことが起こってしまうので時間の流れがかなり遅くなっていますが、そろそろ色々と張り巡らされた伏線を回収していく作業にも取り掛かってほしいところ。
14巻で古代と現代の火事現場がつながり、炎の中にいる兄ライアンがキャロルを助けるためにイズミル王子を銃撃するシーン、そして、44巻で古代にいるキャロルと現代にいるライアンが船上でほんの数秒鉢合わせるという摩訶不思議な出来事が発生しましたが、これがタイムスリップの手がかりになっていくのでしょうか。古代と現代がいくつかの条件下でつながる謎、なぜキャロルとアイシスだけが古代と現在を行き来できるのか、せめてこれだけでも明かして欲しい。
作者は今年1月に77歳になられたそうで、芙~みんさん(妹)は5歳年下。ご高齢なのに画風に衰えがみられないことに感嘆しますが、このペースではどこまで進むことができるのか、少し・・・いや、かなり心配です。この先何年かかろうが、筆を置かれるまでお付き合いする気持ちでおりますが。できることなら、完結してほしいです。
[文庫本]

王家の紋章 [文庫版] コミック 1-24巻 セット
[記念本]

王家の紋章公式ファンブック―連載30周年記念 (プリンセスコミックス)

王家の紋章 連載40周年アニバーサリーブック(プリンセス・コミックス)
[単行本]
2020年8月8日現在、月刊誌