バビロニア編の続き。ハサン再登場。キャロルに恋愛感情を抱かない(色惚けしない)希少な男性キャラ😉
キャロルと側近のウナス、ルカをバベルの塔にある巫女の部屋に幽閉し、ウナスの命と引き換えにキャロルにメンフィスをおびき寄せるための手紙を書かせるラガシュ王。
その頃、父王が(ライアンの銃で重傷を負った)イズミル王子の仇をとるためにキャロルのもとに刺客を送ったと聞いて愕然とするイズミル王子。
キャロルの手紙がエジプトに到着する。キャロルからの手紙を心待ちにしていたメンフィスは、 さぞ自分を恋しく想っていることだろうとソワソワしながら手紙を開封したものの、「心ゆくまでバビロンを満喫したい」との文面に激怒する。
今頃手紙を読んだメンフィスが激高しているに違いないと感じたキャロルは、メンフィスが怒りに駆られてラガシュ王の策略に乗ってバビロンへ来ることのないように切に願うのだった。
キャロルたちを幽閉している巫女の部屋にやってきたラガシュ王は、ルカの喉元に剣を突きつけてキャロルを脅し、バビロニアの未来を予言するように命じる。ルカを守るために、キャロルは古代史の知識を総動員して、ラガシュ王の問いに答える。ラガシュ王はまさに世の噂どおりの神秘なる力を持つ黄金の姫を手に入れたと顔をほころばす。
傲慢で野蛮なラガシュ王の言いなりになることに憤りを感じたキャロルは、ラガシュ王にショックを与えようと、古代王が最も恐れる「月食が起こる」という不吉な予言をする。古代エジプトやバビロニアでは、月食が起こるという予言は、王の身に最も不吉な前兆だと信じられており、キャロルの発言により、バビロン王宮は大パニックに陥る。ちょっと脅かすつもりの嘘の予言が予想以上の影響力を持ったことにうろたえるキャロル。
ラガシュ王や臣下たちが不吉な予言に心を奪われている間に何とか脱出方法を見つけ出さなくてはと思うキャロルだが、幽閉された部屋の一寸のミスも綻びもない堅牢そのものの造りに途方にくれる。
その頃、キャロルがバビロニアに来ていることを知った商人ハサンは、キャロルがいっこうに公の場に姿を見せないことを不審に思い、商売そっちのけで兵士の食事係に変装して何があったのか探りを入れる。そして、キャロルが塔の中に幽閉されていることを突き止める。天井の高い部屋の石壁を登り、格子窓から顔を出したキャロルは、茂みに身を潜ませながら近づいてくるハサンに気づいて石を投げる。
部屋に近づく足音に気づいたウナスから急いで下へ降りるように促されたキャロルは、ハサンに耳打ちして、あることをして欲しいと頼む。全力をかけてやってみると約束するハサン。ほどなくして部屋にやってきたラガシュ王は、災いを避けるために、今宵から身代わり王を立て、守り神のいる巫女の部屋に身を隠すと言うので驚愕するキャロル。
ラガシュ王が身代わり王を定めて、巫女の部屋に潜むことになるなど思いもよらなかったキャロルだが、ラガシュ王が来たことで人の出入りが多くなり、逆に脱出方法が見つかるかもしれないと希望を持つ。また、ラガシュ王の注意がこちらに向いていれば、ハサンの行動も怪しまれずに済むはずと成功を祈るキャロル。しかし、ハサンに同行した日和見主義のカレブが、またもや足を引っ張っろうとして・・・。
傷がようやく癒えはじめたイズミル王子は、ルカと連絡が途絶えたとの報告を聞き、キャロルの身を案じて旅支度を始める。
その頃、キャロルがバビロンで月食が起こると予言したと伝え聞いたメンフィスは、 月食のせいでキャロルが帰れずにいるのかと思案顔。ひそかにバビロンに潜ませていた密偵メネスが帰還し、月食の予言でバビロンは不安に包まれており、災いを避けるためにラガシュ王は塔に篭り、アイシスは宮殿の奥深くに入り、ナイルの姫とウナス、ルカの姿はどこにも見えないと報告する。密偵のメネスに今一度バビロンに取って返し、書状をキャロルに渡すように命じるメンフィス。
同じ頃、近頃の厳重すぎる警備に不信感を抱き始めるアイシス。まるで宮殿から自分を出さぬように監視しているようであり、災いを避けるためとはいえ、わざわざラガシュ王が建設中の塔に篭るのはなぜか、そして、月食を予言した人物とは、と思いめぐらしている内に恐ろしい事実に行き当たったアイシスは・・・。

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