| 作品名 ： | CROWN |
| 漫画家 ： | 氷栗優 |
| 原作者 ： | 和田慎二 |
| 出版 ： | 単行本全6巻 文庫本全6巻 |
| ジャンル： | ファンタジー アクション 兄妹 王国 |
| トーン ： | シリアス ほのぼの コミカル |
| 試し読み： |
［初出情報]
月刊少女漫画雑誌『プリンセスGOLD』（秋田書店）2005年9・11・12月号、2006年1・3・4・10・11・12月号、2007年2・5・7・8・9・11・12月号、2008年1・5・7・8・9月号に掲載された作品。単行本は全6巻。
[内容紹介]
幼くして国を追われ、生き別れになったレガリアの王子と王女が日本で再会し、仲間の力を借りながら数多の刺客を退け、王位継承の「crown」を死守して母国に戻る物語。
[感想]
氷栗優さんの美麗な作画がなんといっても強み。アクションシーンもテンポが良く、常に刺客に狙われるハラハラドキドキの展開ながら、人間味あふれるキャラたちが紡ぎ出すコミカルな掛け合いが楽しく、途中まで夢中になって読んでいたのですが・・・ラストがそんな結末ありなの...😥という締めくくり方だったのがなんとも残念。
以下ネタバレあり↓
ストーリーは幼い頃に国を追われ、妹と生き別れになったレガリアの王子が、相棒の傭兵ジェイクや新たに加わった仲間とともに、日本で育った妹と王位継承の証である「クラウン」を死守して母国へ生還するという内容。
生き別れのため、兄妹と分かっていながらも恋愛感情が芽生えてしまったかのような印象を受けるまひろと蓮。普段は切れ者なのに、まひろに抱きつかれると硬直してしまう相棒ジェイク。敵の刺客だったにもかかわらず、まひろの優しさに触れ、味方になった孤独な傭兵コンドル。宝石を愛してやまない謎の男アンジュとの攻防戦など、個性的で魅力的なキャラがたくさん登場します。
恋愛要素は匂わせ程度。はっきりと恋心が分かるのはコンドルとまひろ。 実の兄である蓮に惹かれるまひろと、そんなまひろに片想いを抱き、彼女の盾となるコンドル。蓮は猫可愛がりするまひろに対して恋愛感情があるような、ないような微妙なところ。
最終的に蓮がまひろを王国に残して去っていくという決断は女性読者からの賛同は得にくいのではないかな。いつまでも一緒にいてほしいとはっきり言葉にできないものの、目や態度で切なく訴えるまひろの恋心に気づいていながら見て見ぬふりする蓮。
女王となったまひろが涙を流して蓮とジェイクが乗り込んだ船を切なく見送っているのに対し、当の蓮は船上でのんびり寝転びながら、達成感で満たされたような顔をしているのをみると、なんだかとても複雑😓
内紛の種となるのを避けるために王国を去る決断をしたというけど、見方によっては王族としての責任を総てまひろに押し付けて逃げただけのような・・・。
格好良い兄だっただけに、このラストシーンのせいでかなり評価を下げた気がしました。
王位継承問題に関しても、終始のほほんとしていたまひろがいつ女王となる決意を固めたのか、そのあたりが省略されていたので唐突感が拭えませんでした。もう少し納得いく締めくくり方はできなかったのかなと残念に思います。
[単行本]
普通の女子高生・まひろの運命は両親の事故死から急激に動き出す。彼女の前に現れた2人の青年は、まひろの驚くべき過去の秘密を語り出し……!?
大人気作家コンビが織り成す、スーパーグレードアクション!! レガリアという国の王位継承者・まひろ(いたって普通の女子高生)の命を狙い、次々と暗殺計画が遂行される。しかし、まひろの兄・レンとその親友のジェイクが、そのすべてを払いのける。はたして、レンはまひろを守りぬけるか!?
レガリアの王位継承権の証でもある宝石クラウンを狙って、まひろたちの生活に入り込んできた美しき暗殺者・アンジェラ!! そんななか、まひろの高校のクラスに映画撮影の企画が持ち上がる。しかし、そのロケは、まひろを狙うフィビュラの恐ろしき罠だった……!! レンとジェイクの出会いを描いた番外編も同時収録!!
レンが願っていたとおり、静かな暮らしを取り戻したまひろ。そんなささやかな幸せの時間に暗雲が……!? これまでのすべての策略の失敗に業を煮やしたフィビュラが、ついに最終手段を決行する!!
レンは、まひろが王位継承者として堂々とレガリアに帰国するため、舞踏会でのまひろの社交界デビューを計画する。それはフィビュラに対する挑戦状であった。フィビュラの手がまひろに迫る。いよいよ舞台はレガリアへ……!!
フィビュラに拉致されたまひろを追って、レガリア王宮内に潜入したレンたち。王位継承をめぐる最後の戦いが幕を開ける!!