花とゆめ 2018年17号
鈴木ジュリエッタさんの新連載が17号からスタート。今回も普通の現代設定ではないラブコメで、現代に残る隠れ里が舞台。
第1話は巻頭カラー45ぺージ。忍者と彼らを代々スカウトしてきた名家の人々。まだまだ謎だらけですが、しっかりとした構成力と演出力を持つ漫画家さんによるラブコメなので期待大です。
ヒロインは現代日本にひそかに残る忍びの里(甲賀・飛田の里)に暮らす杏子。最初のカラーページでは成長した杏子が都会にやってきたところが描かれていますが、物語は過去にさかのぼり、杏子の人生に大きな影響を与えることになった12歳の頃のエピソードから始まります。
負けず嫌いで男勝りの12歳の杏子は、男子・女子混合の年少組のエースだったが、ここ最近は男子がぐんと成長して、体力差が目立つようになり、同い年の男の子である鐵男にエースの座を奪われ、2位に甘んじる日々。
この鐵男くん、ちょっと俺様な態度だけど、どうやら杏子のことが好きみたい。好きな子をイジメる男の子という感じ😆ちょっと前作の巴衛に見た目が似ているかも。
杏子の夢は最強の忍びになること。そんなある日、外界から高級車に乗って客人がやってくる。木陰からのぞき見していた杏子は、車から降りてきた和装の黒髪美男子に目を奪われ・・・。
その日、長老屋敷に年少組が集められ、客人である華山院家の次期当主・楓と小姓の黒髪美男子が、優秀な若い忍びをスカウトしに来たと訪問の目的を伝える。明朝、選抜試験を行い、1位になったものが、華山院家の嫡子・楓専属の側忍になることが発表される。
徹夜で特訓しようと張り切る杏子を鐵男がからかう。1位はエースの自分が選ばれるのだから無駄な努力はやめとけ、女は男には勝てない、身体の出来が違うんだ、と鐵男。後ろ姿の杏子になおも語り掛ける。
「何年かして落ち着いたら迎えにきてやるよ。嫁にもらってやる。それで我慢しろ」
ちょっぴし勇気を出して、上から目線でプロポーズしてみた鐵男・・・😅
嫌だー!と断固拒否して庭へ飛び出した杏子は、屈辱感でいっぱいになりながら、朝まで稽古に打ち込む。早朝、美男子の小姓・朝霧が渡り廊下から顔を出す。手ぬぐいが落ちてきて、それを拾う杏子。足を止めさせてしまったことを謝り、自己紹介をする朝霧。杏子は選抜試験に向けて稽古をしているところだと、しおらしく受け答えする。
「君も楓様の忍び候補なのか・・・でも女の子は選ばれないと思うよ」
悔しそうな顔をして、踵を返す杏子を見て、はっとしたように呼び止める朝霧。高さのある渡り廊下から飛び降りて、尻もちをつく。心配してあわてて戻ってくる杏子。無神経なことを言ってごめんと謝罪する朝霧。
生まれた頃から華山院家に奉公しているという朝霧。冷たい人工物に囲まれて、まるで塀の中の囚人のような生活を送っているといい、一時でもこんな綺麗なところに滞在できてうれしいと本心を漏らす。小姓の仕事は大変なんだねという杏子。側忍はもっと大変だよ、それでもなりたい?と微笑みながら聞く朝霧に「なりたい!」と、元気いっぱいに答える杏子。当主専属の側忍は忍びの憧れであり、立派な忍びになるのが夢だと語る。自分の仕事に誇りを持っている杏子がうらやましいという朝霧。
稽古の邪魔をしてはいけないからと立ち去ろうとする朝霧を呼び止め、里で一番綺麗な朝日が見られるところを案内してあげるという杏子。夜明けに高台に一番乗りするとお日様から元気をもらえるいう杏子。美しい朝日を見ながら穏やかな笑顔を見せる朝霧。
美しい日の出を見つめる二人。仲良しのお友達にするみたいに腕を絡めてくる杏子に、こんな風にくっつきあっていると杏子のことを異性として意識してしまうと言う朝霧。ギョッとして距離を取る杏子。そんな目で見るな、ちっとも女の子らしくないのにという杏子に、そんなことない、僕には可愛いらしい女の子に見えるという朝霧。
嬉しいと思いつつも、優秀な忍びになるためにはこういう感情は捨てないといけないと困惑する杏子。すると、それまで柔和だった朝霧が、自分自身を否定してはダメだときっぱり。懸命に強がって生きてきた杏子の目から堰が切れたようにポロポロと涙が流れ落ちるのを見てそっと抱き締める朝霧。
そろそろ戻ろうかという朝霧だが、次の瞬間、心臓をおさえて蹲ってしまう。驚いて声をかける杏子に、朝霧はいつもの発作だから、試験に遅れないように一人で先に帰るように促す。しかし、杏子は朝霧を豪快に背負い、颯爽と駆け出す。こんなときに人助けができなくては立派な忍びにはなれないという杏子。
道場ではすでに試験が始まっていた。 上半身裸で鬼の面をかぶった華山院家の時期当主が、自分のつけている面をかち割った者を側忍として召し抱えると宣言する。かかってこいとけしかける次期当主だが、屈強な大男を目の前にして勝てそうもないとひるむ鐵男。
間もなくして、屋敷の一室にて布団に入る朝霧と、側に付きそう杏子の姿が。試験を棒に振らせてしまったことを謝る朝霧に、試験はまた受ければいい、今は朝霧の方が大切だと微笑む杏子。すると朝霧が、杏子の手の上に自分の手を重ね合わせて、顔を近づけ・・・。
次の瞬間、襖が蹴破られ、鬼の面をかぶった時期当主が乱入し、あっけにとられる杏子。しかも、なぜか当主が小姓の朝霧に敬語を使っている。朝霧が発作で担ぎ込まれたとの連絡を受け、慌てて駆け付けたようだ。
「1分待て乱蔵・・・今、いいところなんだ」
放心状態の杏子に、けろりとした態度で本当は自分が時期当主の楓だと打ち明ける朝霧。どうして、なんで、と頭が混乱する杏子に、忍びの選抜なんてよくわからないし、面倒だから、せっかく遠出して田舎に来たのだからのんびりしようと思って小姓だと嘘をついたとあっけらかんとした様子の楓。発作も仮病だと言われ・・・へなへなと腰が砕ける杏子。
「杏子、私は決めたよ。君を私の忍びに迎える。」
18号につづく
楓、ただのふわふわした可愛い男の子というだけではない感じがしていたけれど、まさかここまでの策士とは。
そろそろ戻ろうかという朝霧だが、次の瞬間、心臓をおさえて蹲ってしまう。驚いて声をかける杏子に、朝霧はいつもの発作だから、試験に遅れないように一人で先に帰るように促す。しかし、杏子は朝霧を豪快に背負い、颯爽と駆け出す。こんなときに人助けができなくては立派な忍びにはなれないという杏子。
道場ではすでに試験が始まっていた。 上半身裸で鬼の面をかぶった華山院家の時期当主が、自分のつけている面をかち割った者を側忍として召し抱えると宣言する。かかってこいとけしかける次期当主だが、屈強な大男を目の前にして勝てそうもないとひるむ鐵男。
間もなくして、屋敷の一室にて布団に入る朝霧と、側に付きそう杏子の姿が。試験を棒に振らせてしまったことを謝る朝霧に、試験はまた受ければいい、今は朝霧の方が大切だと微笑む杏子。すると朝霧が、杏子の手の上に自分の手を重ね合わせて、顔を近づけ・・・。
次の瞬間、襖が蹴破られ、鬼の面をかぶった時期当主が乱入し、あっけにとられる杏子。しかも、なぜか当主が小姓の朝霧に敬語を使っている。朝霧が発作で担ぎ込まれたとの連絡を受け、慌てて駆け付けたようだ。
「1分待て乱蔵・・・今、いいところなんだ」
放心状態の杏子に、けろりとした態度で本当は自分が時期当主の楓だと打ち明ける朝霧。どうして、なんで、と頭が混乱する杏子に、忍びの選抜なんてよくわからないし、面倒だから、せっかく遠出して田舎に来たのだからのんびりしようと思って小姓だと嘘をついたとあっけらかんとした様子の楓。発作も仮病だと言われ・・・へなへなと腰が砕ける杏子。
「杏子、私は決めたよ。君を私の忍びに迎える。」
18号につづく
楓、ただのふわふわした可愛い男の子というだけではない感じがしていたけれど、まさかここまでの策士とは。