
村で二コラとして生きるマルグリット。ルネとの出会いが転機となり、物語は加速する!謎めく少年少女のヨーロピアンロマン第3話。
第1巻収録
レオのケガが回復し、別れの時が・・・。お世話になったお礼を丁寧に言いながら去っていくルネとレオ。家の前まで出て見送るマルグリット、ヤン、クリストフ。
二人を見送った後、厳しい表情をしたクリストフがマルグリットに話があると告げる。クリストフとヤンは、マルグリットが男と偽って生きるのはそろそろ限界に来ていると感じているようで、この先、村人に隠し通せるとは思えないので都会に出て二コラとは別人の女の子として生きるべきだとすすめる。
ラグノーという都市で酒場を営んでいるクリストフの亡妻の友人に住み込みで働かせてもらえないか頼んでみるというクリストフに、気持ちが整理できずに呆然とするマルグリット。
大事な家族であるクリストフとヤンと別れることにショックを受けるマルグリットだが、無念の死を遂げた両親のためにも自分は生き延びなければならないとの思いから、ラグノー行きを決意する。
出立の時。今にも泣きそうな顔するマルグリットを優しく抱き締めながら「今生の別れじゃない、困ったことがあったらいつでも駆け付ける」と言葉をかけるクリストフ。「会いに行くよ」とお別れのあいさつをするヤン。
クリストフに馬車でラグノーまで送ってもらうマルグリット。 酒場につくと、清掃中のおかみさんが朗らかに応対する。事情を簡単に説明し、マルグリットのことを宜しく頼むというクリストフに、訳ありの子だと納得した上で保護者的立場を了承するエステル。
エステルの酒場は大盛況。さっそく酒場の給仕を始めたマルグリットは、慣れない配膳と接客におどおど 。とそのとき、この間別れたばかりのルネとレオがいかにも常連客という感じで入ってくる。愛想よくエステルと会話をしている2人に気づいたマルグリットはギョッとして思わず退散しようとするが、エステルから配膳を頼まれてしまい・・・。下を向いてささっと二人の前に食事を運ぶマルグリット。新しい子入ったんだねというルネと、愛想の無いやつだなというレオ。
しばらくすると、酔っ払い同士のけんかが勃発し、後ろに座っていたルネが巻き添えになる形でぶつかり、服がよごれてしまう。酔っ払いに抗議するレオとギャグ切れする酔っ払い。さらに別の酔っぱらいがマルグリットにも絡み始め・・・。
頭を鷲掴みにされて酒を持ってこいと言われたマルグリットは握りしめた拳を震わせる。次の瞬間、エステルがフライパンで豪快に二人の酔っぱらいをノックダウン。巻き添えになっておでこにコップが飛んできたルネを外に連れ出すレオ。マルグリットは、エステルに頼まれて、濡れた布をルネに持っていくことに。
マルグリットの顔を見ながら、ありがとうというルネ。ジーっと不思議そうにマルグリットの顔を見ていたレオが、どこかで見た気が・・・と言い出したので、あわてるマルグリット。今日から入ったばかりの新人だというマルグリットに、だよな~と一旦は納得するレオ。しかし、外まで追いかけてきた酔っ払いに後ろから羽交い絞めにされたマルグリットが男に鉄拳を食らわす様子を見た二人は、彼女が二コラだと気づいたようで・・・。
10月号につづく
クリストフとヤンとのお別れは悲しすぎる。今後も、ときどき彼らについて触れてほしいなぁ。ルネには関しては、今度いつ登場するのかなぁと再会を心待ちにしていたので、あまりに早い再会に嬉しい驚き。滅びた王国のことも含めて今後彼らがどんな風に物語にかかわっていくのか興味津々です。
