
第75話~最終話(描き下ろし番外編・あとがきなし)
間隔をあけて読み返し3回目。まだまだ薔薇王ロスから立ち直れず...。
冒頭はリチャードを長年苦しめてきた毒母との訣別。自分の過ち(不義)から来る罪悪感をひたすら子に押し付けてきた母。決して愛してくれない母親に最後まで肉親の情を抱き、いたわりの言葉をかけるリチャードの姿が何ともやるせなかったです。
大切な人を次々に亡くし、生きる希望を失いかけるリチャードを最後まで支え続けるケイツビー。そして、初恋の人(ヘンリー=ティレル)との森での邂逅。
記憶喪失のヘンリーから友達になってほしいと昔言われたことと同じことを言われて涙交じりの笑顔を浮かべるリチャードと、リチャードに笑顔で応じてもらえて満面の笑顔を浮かべるヘンリーとのやりとりがこれまた切なくて...。
そして最後の戦場のシーン。以前から喀血していたリチャードは戦場を王のいる場所として名誉ある死に場所と決めていたようですが、ケイツビーの最後の願いとしてどうか生きてくださいと懇願され、負けるために戦うつもりはないと自分とケイツビーに言い聞かせるものの、戦況はどんどん不利になっていき・・・。
ついに討ち取られるかという場面でリチャードに扮したティレルが颯爽と現れ、自分の命と引き換えに最後の大仕事をやり遂げます。その隙に瀕死のリチャードをケイツビーが自分の馬に乗せて救出。
物語はここで幕を閉じます。絶妙に余韻を残す終わり方でした。リチャードはケイツビーの腕の中で眠るように亡くなったということなのか、それとも無事生き延びることができ、少しでも二人で穏やかな時間が過ごせたのか、どちらとも取れる描かれ方になっています。後者だといいなと思いながらしみじみと読了。
ちなみに王冠を奪取したリッチモンドはベスと政略結婚。現在掲載誌でベスの母親である悪役王妃マーガレットの過去編『
