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2024年6月11日火曜日

『王家の紋章』第10巻ネタバレ感想【細川 智栄子】


王家の紋章 10

イズミル王子からなんとか逃げ切ったかと思ったら、今度は商人に騙されてアルゴン王が統治するアッシリアに連れていかれるキャロル。後半はメンフィスとの再会劇&ハサン登場。

キャロルが逃げたことを知ったイズミル王子は、キャロルを生け捕りにすれば褒賞を出すと付近一帯に触れ回り、四方に追っ手をかけて大捜索。キャロルたちが向かうチグリス河畔も包囲されてしまった。身動きがとれなくなり、草むらに潜んでいたキャロルたちの耳にヒッタイト兵の叫び声が聞こてくる。ナイルの娘を捕えろ、手引きした者は見つけ次第切り殺せと。

キャロルはヒッタイト兵が近づいてくるのを見て、カレブたちの命を救うために投降を決意し、彼らに逃げるように促す。しかし、やってきたのは、変装したカレブの仲間たちだった。キャロルの優しい人柄を知ったハサンは騙して連れてきたことに良心の呵責を感じ始めるのだった。

アルゴン王はキャロルを監禁していると信じ込ませて、エジプト兵に手も足も出せない状態にさせ、メンフィスを孤立させて殺す作戦を立てるが、予想に反して広間に閉じ込めていたエジプト兵が扉を破ってメンフィスのもとに駆けつける。計画が狂い、取り乱すアルゴン王。

慌てふためいたアルゴン王の様子を見て城内にキャロルはいないと気づいたメンフィスは宮殿からの脱出を計ろうとするが、アルゴン王の「たった今、ナイルの娘を手に入れた!」の一声に気を取られ、アッシリア兵が射た矢を避けきれずに負傷し、地下牢に繋がれてしまう。

その頃、眠り薬で眠らされ、棺の中に入れられたキャロルは、目を覚ますとアルゴン王の顔が目の前に迫ってきて驚愕する。アルゴン王から褒賞を受け取るカレブを見て、騙されたことに気づき、悲鳴をあげるキャロル。アルゴン王はキャロルが逆らえば、地下牢に繋がれたメンフィスに危害を加えると脅し、キャロルを婚礼の宴に出席させるのだった。

宴の最中、皆が酔いつぶれた隙にこっそり抜け出したキャロルは、メンフィスのいる地下牢へと急ぐ。その途中、単独で潜入したウナスと再会を果たし、メンフィスたちを救出するための策を講じる。

キャロルはアッシリア城がチグリス河の支流に建てられており、日干しレンガ造りであることに注目し、支流をせき止めれば、川の水が逆流して城内に流れ込み、城が泥土と化し、城内は大混乱に陥るはずと判断し、なんとしても支流をせき止めるようにホルス将軍に伝えてほしいとウナスに頼むのだった。

給仕女に変装したキャロルは、メンフィスが捕らえられている地下牢へと潜入する。鎖に繋がれた痛々しいメンフィスの姿を目の当たりにしたキャロルは、ひしと抱きつき、もう離れたくないと涙ながらに訴える。

なんとかして、頑丈な鎖を外そうと必死になるキャロル。「無駄だ、逃げよ」と繰り返すメンフィス。次の瞬間、アルゴン王が大勢の兵を連れて姿を現す。怒りをあらわにするメンフィスに対し、キャロルはウナスに伝えた作戦をこっそり伝え、必ず脱出する機会があるから怒りを沈めて待つように促すのだった。

そうはいっても、メンフィスにくっついて離れないキャロルを無理やり引き剥がして連れて行こうとするアルゴン王を見て、怒りが頂点に達するメンフィス。腰抜けでなければ、王として一騎打ちの勝負をしろ!とけしかけ・・・。

臣下の前で腰抜け呼ばわりされたアルゴン王は一騎打ちを受けて立つと宣言し、王宮の庭で翌日開かれることが決まる。心配そうに事態を見守っていたキャロルは、一騎打ちの直前に城内に水が流れ込めば、メンフィスは地下牢から出て鎖から外されいるので脱出するチャンスがぐっと高まるはず、と前途に光明を見出す。

そんな中、キャロルを連れ戻したアルゴン王は、今すぐにキャロルをわが物にして無理やりメンフィスから奪う気でいた。アルゴン王の企みを知り、必死に抵抗するキャロルだったが、閉じ込められた部屋にアルゴン王と二人きりにされ、にじり寄られ…もはや逃げられないと知り・・・。死を覚悟して、毒花を飲みこむキャロル。苦しみにのたうちまわるキャロルを目の当たりにしたアルゴン王は状況が読めずに唖然として・・・。



王家の紋章 10




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