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[初出]
表題作:雑誌『絶対恋愛Sweet』2010年11号・2011年6月号に掲載。
[あらすじ]
大学生・小川嘉永は帰宅すると、薄汚い男がベランダに侵入しているのを発見した。飛んでいっ た洗濯物を取りにきた翻訳家・大和仁満との最悪な出会いから、奇妙な交流が始まる。容姿や言葉遣いとは裏腹な仁満の優しさに嘉永の気持ちはふくらむが、はずされることのない仁満の左手薬指の指輪の存在が気になりだす――。
[感想]
内容:
・「100年ロマンス」前後編・・・無精ひげの翻訳家x大学生
・「悩めるひよこ」・・・高校のクラスメート
・「きみに恋風」・・・バイト仲間
表題作は、二人の出会い方に違和感が・・・。一軒家に住む男が、風で飛ばされた洗濯物を回収するために向かいのアパートに住むヒロインの部屋のベランダに無断で侵入。それがきっかけでヒロインと仲良くなるというのが、どうもヘンタイチックであまり好きではない。ヒロインの下着やらが干してあったから、てっきり下着泥棒かと・・・。
この男に全然悪気がないとしても、やっぱり無断でベランダ侵入は常識が無い。無精ひげのおっさんが、見た目と違ってチャラチャラしておらず、年上の落ち着いた雰囲気と寛容さがあるキャラに描かれていたので、余計に不自然に感じたのかもしれない。出会いの場面はもうちょっと慎重に描いてほしかったです。
同時収録作がわりと好みの内容でした。特に「悩めるひよこ」。初恋の初々しさがにじみ出ていて、可愛らしいお話。堅物優等生x気さくな女の子。双方それぞれの気持ちがただの同級生から恋心に変わっていく様子、初恋の甘酸っぱさや高揚感が伝わってくる内容でよかったです。