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2016年2月16日火曜日

草凪みずほ『暁のヨナ』1巻~19巻

作品名: 暁のヨナ
漫画家: 草凪みずほ
出版: 白泉社(2010~)単行本既刊19巻
ジャンル: 歴史モノ、古代王国、ファンタジー
トーン: シリアス ほのぼの 
試し読み: 暁のヨナ

[作品紹介]
『花とゆめ』(白泉社)にて、2009年17号から連載開始。単行本既刊19巻。2014年10月~2015年3月、テレビアニメ放送。2016年3月に舞台化の予定。

[あらすじ]
高華王国の姫・ヨナは一人娘のため、優しい父王と幼なじみで護衛のハク達に囲まれ、大切に育てられていた。そして時はヨナ・16歳の誕生日、ヨナは想いを寄せていた従兄のスウォンから簪を贈られ、父へ自分の気持ちを伝えに行く。が、そこには思いも寄らぬ過酷な運命が!?

[感想]
表情の描き方がすごく好み。お姫様と幼馴染の護衛というヨナとハクの関係には、萌え心を絶妙にくすぐられるものがあるけど、この物語において二人に匹敵する重要人物であるスウォンの存在が最新の19巻まで読んでも、未だはっきりしないのが非常にモヤモヤする。本来は第一王子として王位を継ぐはずだったスウォン父が弟の前王に殺された理由がそもそものところ不明なわけで、反逆の背景としては、この前王時代から読み解かないことには理解できないだろうに、そこを曖昧模糊なままにしているのはなぜなのだろう。もう100話もとうに超えているのだから、大概に全貌を明らかにしても良いはずなのだが。こういう肝心要のバックグラウンドが抜け落ちたまま、ストーリーが進んでいくのをみていると、歴史モノとしては浅い印象にならざるを得ないと思う。

主人公を取り巻く仲間たちがあっけなく死んでいくような話はあまり好きではないので、この物語のように大事な人たちが激戦をかいくぐって生き残ってくれるのは嬉しいことなのだけど、それにしても、黄龍の”不死身”説は、さすがにやりすぎというか、、、一気に緊張感を無くしてしまったなぁと。

ラブコメの部分は面白いけども、歴史モノとしては、決定的に重要な要素が欠けているように思う。国の全体像や方向性が見えない中で、出てくる登場人物ほとんど全てに、仁徳や、カッコよさを、後出しみたいに付け足していくもんだから、それぞれの背負っている過去との間に矛盾が生じている気がする。結局、この物語には軸となるものがないんじゃないのかなぁと思ったり。正直、何を伝えたいのか分からなくなってきている。ハクが一目置いていたという前王は愚王の振りをした賢王ではなかったのか。それなら思慮深いスウォンが、なぜ先王を殺すような暴挙に出たのだろう。スウォンが良き王になりつつある今、ヨナたちの存在意義はあるのかな?敵が誰なのか、はたまたヒロインたちの目指すところさえぶれてきているような印象。うーん、もはや、ラブコメの部分だけを楽しむシリーズになってきているのかな。。。

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