プリンセス 2015年 09 月号 [雑誌]
過酷な旅の途中、熱砂にやられ倒れてしまったキャロルの前に現れたのはなんとイズミル王子で・・・!?
感無量の様子で、時が経つのも忘れてキャロルを抱きしめ続けるイズミル王子に、従者たちがお急ぎくださいと心配そうに何度も促す。大勢のヌビア兵のものらしき馬のひづめが聞こえてきたという兵士の声で、はっと我に返ったイズミル王子は、そのときになってようやくキャロルが最初に見たときよりも、ずっと衰弱していることに気付いて狼狽えはじめる。
さらに追い打ちをかけるように、父王からの火急の知らせまで飛び込んでくる。なんと黒海沿岸にトラキア軍が終結し、紛争が勃発しそうだというのだ。向こう側はイズミル王子との会見を望んでおり、王子の出方によっては和睦してもいいと揺さぶりをかけているとのこと。国の一大事、ただちに帰国されたしと決断を迫るハザス将軍。
今、キャロルを抱き、この熱風と砂塵のなか、追っ手を撒きながら遠い道のりを駆けるのは彼女の命に関わるだろう。迷っている暇はないと己に言い聞かせたイズミル王子は、持ち合わせていた薬と水を口移しでキャロルに与えてそっと叢に横たわらせると、断腸の思いでその場を立ち去るのだった。
ほどなくして、屈強なヌビア兵の一団が新たにやってきたのを見て慌てたテティは、急ぎキャロルのもとへと戻り、なんとか手に入れた水をキャロルに飲ませる。薬は手に入らなかったと嘆くテティに、少し体調が回復したキャロルは先ほどイズミル王子に薬を飲まされたことを打ち明ける。夢でも見たに違いないと思うテティだが、キャロルのそばから水と薬が見つかり、驚きに目を白黒させる。
キャロルを迎えに来た巨漢のザグウ隊長は、キャロルの黄金の輝きに目を奪われ、早くも目がハート状態。
明日にもキャロルがヌビアに到着するという一報は岩窟神殿に閉じ込められたメンフィスたちのもとにも届く。明日になれば、神殿のまわりは大勢の兵士で囲まれるだろう。なんとかヌビア兵たちを油断させて、キャロルを神殿に近づかせ奪還する方法はないだろうかと、メンフィスたちは懸命に思案する。一方、メンフィスの行方を追っていたウナス一行はようやく漆黒の洞窟を抜け出し、山の中腹に出るが、崖下におびただしい数のヌビア兵を見つけ、嫌な胸騒ぎを覚えるのだった。
エジプト征服計画が着々と進み、タヌト妃は高笑いが止まらない。大エジプト帝国のファラオが立つこともままならずにのたうつさまを見て、姫はどうするであろう。その後に姫に獣をけしかけて嬲り殺される様子をファラオに見せてやろう。居並ぶ群臣たちに、明日はおもしろい見世物をみせてやると高らかに告げるタヌト妃だったが・・・10月号につづく
イズミル王子が、あんなにあっさり引き下がるとは、さすがに拍子抜けでしたが。。。。メンフィスとの再会を待ち望んでる者としては、ヒッタイトへさらわれなくて、正直ほっとしている心境・・・。
次号では、あの人物、謎の旅商人の正体がついに明かされる!!