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[作品紹介]
『別冊マーガレット』(集英社)2005年9月号に読み切り作品として掲載。同誌2006年1月号より連載開始。第32回講談社漫画賞少女部門受賞作。2009年10月6日~2010年3月30日までテレビアニメ第1期、2011年1月4日~3月29日まで第2期放送。2010年、実写映画化。
[あらすじ]
陰気な見た目のせいで怖がられたり謝られたりしちゃう爽子。爽子に分けへだてなく接してくれる風早に憧れている。風早の言葉をきっかけに変わっていけるみたい…。夏休み前、爽子は肝試しでお化け役をやることに!?
[感想]
連載10年目突破。高校1年生の出会い編からじっくり描き続けて、ついに受験シーズンにまでこぎつけた。第25巻は進路に揺れる女性陣の悩みとそれを受け止める男性陣の想いが吐露されていて、クライマックス直前の雰囲気が漂う。こういう青春群像劇は、ある程度巻数が揃った後に一気読みした方がいいと思う。読んでいるときはセンチメンタルな想いにどっぷり浸っていられるのだけども、続きを待っている間に熱が冷めてしまう。感想を書こうと思って久しぶりに読み返してみたら、青春の甘酸っぱさがよみがえってきた。
~ネタバレ~
遠距離恋愛はたしかに難しい。双方の努力、相手への信頼なしには成立しえないし、一度信頼が崩れると簡単に終わってしまうのが遠恋。だから悩むのは分かるが、今の時代のヒロインならば、やはり、恋愛に引きずられることなく、将来のことを見据えて進路のことを決めてほしいと思う。
その点で東京の大学に行く決心をしたあやねは一歩踏み出した感じ。くるみもそう。早々に高い目標を掲げ、がむしゃらに猛進する姿に好感が持てる。
ただ、爽子の気持ちも分からないわけではない。クラスで悪霊扱いされ、イジメに遭っていた彼女に初めてできた友人と初恋の人。今の環境を失いたくない気持ちは十分理解できる。それでも、友人や恋人から、誰よりも前向きで勇気があると評されるヒロインの強さが最後に描かれていればいいなと思う。そして、もう一つは、あやねのこと。卒業間際にピンに想いを告げるのか、秘めたまま終わるのか。大学生になってからの再会編とかでこの二人のことをスピンオフとして描くのも面白そう。まぁ、主人公にするには、ちょっとキャラが強烈すぎるかなとも思うけども(笑)