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2022年11月28日月曜日

細川智栄子『王家の紋章』第68巻あらすじ&ネタバレ感想



【最新刊】王家の紋章 68巻

2018年6月号~2019年1月号収録。

広間に出てくる瞬間を待ち構えていたトラキアの刺客がキャロルに襲い掛かるのを、間一髪盾になって守るテティ。その直後、メンフィスが怒号を響かせながら兵士とともに駆け付け・・・という67巻からの続き。

テティは腕を刺されるが、命に別状なし。トラキアの刺客は無念そうに退散。テティのケガに責任を感じて号泣するキャロル。 一連の騒動はトラキア王の差し金。イズミル王子と娘のタミュリス姫との縁談をなんとしてもまとめたいトラキア王。

同じ頃、エーゲ海でも新たな動きが。エーゲ海全体を掌握するために最大の敵であるエジプトの征服を目論むミケーネ王。(好色なミケーネ王は美しい者なら性別に関係なく、わが物にしたいタイプ😅)

キャロルもメンフィスも手に火れると意気込み、その軍資金のためにミノア海軍の目をかすめ、商船を襲って海賊稼業で荒稼ぎしているミケーネ王。

一方、ベルトを探す脱獄仲間は、見舞客に暗殺者が紛れ込んでいたことで王宮の警備が強化されて侵入は難しくなったと判断し、門の外で見張りを続けることに。

トラキアの一件で危機感を強めたメンフィスは、国中の警備を強化し、各国境の砦に詳細な報告を命じる。

テティとのおしゃべりの中でトラキア王国についての考古学的知識をふたたび披露するキャロル。戦禍に巻き込まれ、テティと逃げ回ったトロイ王国の対岸の国だとキャロルが熱弁をふるっていると、メンフィスがやってきて、エーゲ海の商人たちがキャロルに一目会いたいと言っていると広間に連れ出す。

商人たちはキャロルに貢物を献上しながら、活気のあるトロイの都をぜひ訪ねてほしいと熱烈アピール。好奇心を掻き立てられるキャロルだったが、エーゲ海には魔の海域があると聞いた途端、海の底から怒りと憎しみに駆られながら自分を呼ぶアトラスのことが脳裏をよぎって身震いする。 

イズミル王子はトラキア王に連れ出された銅山見学の途中で、北方のゲダイ族の捕虜が鞭でうたれながら歩かされているところに遭遇。咳をして具合の悪そうな捕虜にそっと薬を投げ渡すイズミル王子。

 花咲き乱れる美しい丘を案内するタミュリス姫を尻目に、キャロルに想いを馳せるイズミル王子。その様子を感じ取ったトラキア王は、キャロルへの憎しみをますます燃え上がらせるのだった(表情だけで普通そこまで読み取れないからw 思い込み激しそう😅)

ちょうどその頃、恐ろしい悪意をテレパシーで受信して恐怖におののくキャロル。心配して駆けつけたメンフィスは、キャロルを強く抱き締め、こうなったら自らトラキアに乗り込んで決着をつけてやると意気込むのだった。

場面が切り替わり、帰国の途につくヒューリアを見送ったキャロルは、メンフィスとともに、香の取引先であるアトバラの大商人ゲブレと対面することに。

大商人ゲブレの前で、現代にいたときに本で読んだスッド大湿地帯の知識を披露し、風土病やマラリアにくれぐれも気を付けるように注意をうながすキャロル。噂通りの神秘の力を持つ神の姫だと感嘆するゲブレたち。 

対談の直後、東の地の飢饉で民が暴徒化してツロの砦に向かっているとの報告を受けたメンフィスは、騎馬大隊を率いて砦へ。王宮の外で様子をうかがっていたトラキアの刺客たちは、メンフィス不在の間に再度王宮への侵入を試みようと警備の隙をうかがうが・・・。 

 その頃、トラキア王はイズミル王子を自慢の採掘場へと案内し終え、大満足で帰途に就き、 連日の宴にイズミル王子を誘うが、ご機嫌なトラキア王とは対照的に露骨に顔を曇らせるイズミル王子(塩対応を続けるイズミル王子にイライラを募らせるトラキア王の真顔が怖いw)

東の地の暴徒を鎮めるため、国境のツロの砦に向かったメンフィスは、飢餓に苦しむ民に食糧庫を開放したのだが一向に暴動は止む気配がない。隊長の報告によると、暴動を陰で扇動しているものがいるらしいのだが、それ以上のことはまだ掴めていないという。

いら立つメンフィスや混乱するエジプト兵の様子を草むらに隠れて観察する3人の男たちの姿が・・・。

新キャラ登場。パサルガダイ国のクルシュ公子。メンフィスのことを女のような王だと形容したクルシュ公子は、メンフィスには無関心だが、キャロルには大きな関心を寄せている様子。

インダスの王子が飢饉に際して本来の地を捨て民族大移動を敢行した英断の裏には王子に知恵を授けたキャロルの存在があったという話を聞いたのだとか。

ヒッタイト王国では、トラキアに招待されたまま戻ってこないイズミル王子を心配する声が臣下の中からあがりはじめていた。イズミル王子の心情を無視した強引なやり方に懸念を示すハザス将軍だが、トラキアとの同盟を重要視するヒッタイト王は、王子のことはトラキア王に任せておけばいいと取り合わない(そして、グフグフと企み顔。息子が恋焦がれるキャロルをいずれわが物にする気満々のヒッタイト王。心の声が汚すぎるw)

潜入した密偵からイズミル王子が幽閉状態にあると聞かされた王妃は、王子の帰国を王に直談判する決意を固めるが、それを聞いた侍女ムーラは顔を青ざめさせ、王の怒りが王妃にふりかかえることを心配する。 

同じ頃、トラキアではイズミル王子が王の案内でゲタイ族が捕虜として抑留されている山岳の岩城見学のために再び奇岩山へ。岩城の要塞の中を案内されつつ進んでいたイズミル王子は、暗く不気味な気配を感じて、なぜここに連れてきたのかとトラキア王に問いかけるが・・・。

奥に見せたいものがあると答えるトラキア王。牢獄が多数点在している岩城の中を進んでいたとき、先日イズミル王子が薬を与えたゲタイ族の一人が牢獄から顔を出す。奥の岩扉内にご注意なされよとこっそり声をかける男。

頑丈な扉の前で立ち止まったトラキア王は、秘蔵のものをイズミル王子に見せたいと告げ、扉の中に案内すると、そこにいたのは、荒ぶる大きな馬。思わず感嘆するイズミル王子だが、下に目をやり、言葉を失う。

この馬たちに人肉を与えて猛獣化させていると告げたトラキア王は、トラキアと敵対する者には容赦しないと暗にほのめかしながら、再度婚姻による同盟を結ぶつもりがあるかと尋ね・・・。

その頃、メンフィス不在のエジプト王宮では、トロイ王からの招待状を受け取ったキャロルが、絶対に行きたいと大はしゃぎ。

一方、ペルトが行方知れずになり、自分を置いて逃げ出したのか怒りと焦りが募るネバメン。 実は脱獄仲間に捕まっていたペルト。ネバメンとペルトが出てくるのを辛抱強く見張っていた脱獄仲間は、ついにペルトが王宮から出てくるところを目撃し、隙をつき拉致して問い詰めるが・・・。

 飢饉を背景とした暴動が一向に収束する気配を見せず、ツロの砦にとどまるメンフィスたちのもとに、暴徒になりすましたアルゴン王率いるアッシリア兵たちが乱入してくる。

長引く飢饉の暴徒の背後にはアッシリア軍がいたようだ。エジプト征服をもくろむアルゴン王の作戦にまんまと引っかかり、わずかな兵で国境までおびき寄せられた形のメンフィス。続々と集結するアッシリアの騎馬軍団に焦りの色が隠せないミヌーエ将軍。 

 多勢のアッシリア軍と普通に戦っては勝てないと判断したメンフィスは、風砂が吹き荒れる砂漠へ逃げ込む作戦に出る。メンフィスたちを追って砂漠に誘い込まれたアッシリア兵たちは、慣れない砂嵐に大苦戦。 

 砂塵で視界が遮られる中、メンフィスの指示でラクダが一斉に放たれる。山国のアッシリアでは見かけない巨大なラクダにアッシリアの馬たちが暴走し、大混乱の中、アッシリア兵たちが同士討ちをはじめ・・・。

68巻はここまで。アッシリアとの戦の真っただ中で次巻に持ち越し。雑誌の連載はだいぶ進んでいますが、続きはまだ単行本化されていません(2022年11月現在)。




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