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2022年1月25日火曜日

山田貴敏『Dr.コトー診療所』第9・10巻あらすじ&ネタバレ感想


Dr.コトー診療所 公式版 9

9巻は90話~102話収録。2年ごとの契約更新にしているコトー先生の去就に関する問い合わせが役場に殺到していることに危機感を募らせた村長と助役が、コトー先生に永住してもらうために星野さんとの結婚をごり押しするお話と、コトー先生が江葉都先生からの依頼を優先し、狭心症が再発した内さんのオペを他の医師に任せたことで島民たちが失望するお話と、脳腫瘍を患う家出少年のお話。

・21番目の手術:胃癌を患う中年男性
コトー先生の病死した妹から移植された腎臓を持つ患者が命の危機に瀕しているので難しいオペを引き受けてほしいと江葉都先生から連絡を受けたため、複雑な気持ちを抱きながらオペを引き受けることにしたコトー先生だったが、それがウソだったことが分かり・・・。

自分の患者を救いたかったから、コトー先生を誘い出すために嘘をついたと悪びれずに言う江葉都先生に怒りを禁じえないコトー先生。

その頃、古志木島ではコトー先生が元上司の奥村先生に依頼した代理の音田先生がパニックを起こして逃走。コトー先生の指導の下で内さんの心臓手術を行うはずが、コトー先生が不在と知って思わず逃げてしまうが、原さんに連れ戻された後、電話でコトー先生に優しく諭され、冷静さを取り戻す。

その後、2つの手術を同時にこなすコトー先生。江葉都先生から依頼された患者の手術の最中に遠隔モニターを利用して音田先生へのリアルタイムでの指導を行って手術を無事成功させる。音田先生はのちに名医になって再登場=コトー先生と再会。


・22番目の手術:脳腫瘍を患う家出少年・丹羽俊太


10巻は103話~111話収録。増生島の診療所で奮闘する三上先生のお話が3話と、和田さんの妻・環の大学時代のサークルの先輩が詐欺を働く(万病水を売りつける)ために島にやって来るお話と、定年を迎えた郵便屋さんの人情譚。

増生島のお話は余命宣告を受けた高齢男性に対して、医師として自分にできることは何か、悩み葛藤しながら誠実に患者とその家族に向き合う三上先生=後に妻となる恵さん親子との心温まるやりとりにじんわり。

星野さんの同級生・ゆかこさんとグランさんに男児誕生。

2022年1月24日月曜日

山田貴敏『Dr.コトー診療所』第7・8巻あらすじ&ネタバレ感想


Dr.コトー診療所 公式版 7

7巻は68話~78話収録。人気に陰りが出始めたミュージシャンが休暇のために古志木島にやって来て散々な目に遭い(泣きっ面に蜂状態)つつも自己を見つめ直していくお話と、芦田代議士の要請で出席した北海道での辺地医療シンポジウムでコトー先生が大事件に巻き込まれるお話。

・19番目の手術:下江田永時(エイジ)
全国ツアーの打ち上げで古志木島にやって来た落ち目のミュージシャン。事務所が用意したぼろ屋敷でスズメ蜂に二度刺されてアナフィラキシーショックに陥り、診療所へ。

呼吸困難に陥ったエイジを救うために気管切開を行うコトー先生。声帯を傷つけることなく、手術は無事成功するのだが、やさぐれてしまったエイジが声が出ないふりをしたため、コトー先生は医療ミスだと責められてしまうのだけど、すぐに嘘だったことが発覚。

エイジの一番のファンであるマネージャーや仲間の励ましにより、立ち直ったエイジは2ヶ月後に発表した新曲でヒットチャートに見事カムバック。


★シンポジウムに向かう飛行機で臓器移植の世界的権威・江葉都怜(えばと れい)と出会う

コトー先生が出席したシンポジウム会場に医師連続殺人事件の指名手配犯が現れ、銃を乱射。男を止めようとした三上先生が脇腹を撃たれて重傷を負う。男は駆け付けた警察官に胸を撃たれて倒れ込むが、コトー先生が応急手当を施し、病院に搬送される。

・20番目の手術:医師連続殺人事件の指名手配犯
病院に運ばれたときには心肺停止状態だった。オペの準備を進めるコトー先生とオペは中止すべきと主張する江葉都先生の意見が対立。

犯人は意識を失う前にこのまま死なせてくれと治療を拒否したものの、コトー先生は瀕死の患者が目の前にいるなら救うだけだと手術を決行。そんなコトー先生にエゴのかたまりだと非難の言葉を投げつける江葉都先生。

それでもコトー先生のオペで犯人が奇跡的に意識を取り戻した後は態度を軟化させ、犯人の容態が急変したときには江葉都先生が執刀して犯人の命を救っている。


8巻は79話~89話収録。コトー先生がシンポジウム出席のため古志木島を1週間離れている頃のエピソード(代理として織田研修医がやって来るお話)と本土の病院に入院していた認知症を患った母親を引き取って島に戻ってきた横山親子のお話と、本土に引っ越すことになった悠子ちゃんのためにクニちゃんとタケヒロが子供たちだけのキャンプを提案し、参加した子供たちが痛ましい水難事故に見舞われるお話。

サッカーが大好きな明るい織田判斗研修医。星野さんが医者を目指していることを知った岡田くんは、しっかり者の星野さんのことを気に入って実家の総合病院に来ないかとオファー。その病院には医者志望のスタッフのための学業支援システムがあるのだとか。

悩んだ末に岡田くんのオファーを断る星野さん。コトー先生のもとで医療従事者として大切なことを学びたいからと。






2022年1月18日火曜日

山田貴敏『Dr.コトー診療所』第5・6巻あらすじ&ネタバレ感想


Dr.コトー診療所 公式版 5

5巻は45話~56話収録。末期癌の老紳士が医師としての出発点の古志木島で余生を送るためにやってくるお話と、熊谷幹事長の講演会に呼ばれたコトー先生が数日間診療所を留守することになり、星野さんが孤軍奮闘するお話と、島の開発計画が持ち上がるお話。

・14番目の手術:離島医療の大先輩・古川公平
若かりし頃(40年前に)に古志木島の診療所で医師をしていた末期癌の老紳士。大病院の院長。

生きてもらいたいから手術をさせてほしいというコトー先生に対し、延命のための手術ではなく、治すための手術ならお願いしたいと意思表示する古川先生。だけど手術の結果、手の施しようがないことが分かり・・・。

その後、診療所で切迫流産の恐れがある妊婦の出産に立ち会った古川先生は、自分がこの島に「生きに」来たことに気づき、心配している家族のためにも帰った方がいいとすすめるコトー先生の後押しもあって、迎えに来た息子さんと笑顔で島を後にするのだった。

ちなみに古川さんが帰った後に内さんが思わぬ打ち明け話を。診療所時代の古川先生と激しい恋に落ちたのだとか。誰も信じなかった/知らなかったので内さんの妄想かもw

4巻でコトー先生に救われた熊谷幹事長が再登場。すっかりコトー先生に肩入れし、CTやMRIを診療所に入れてくれるとのこと。

2番目のエピソードは熊谷幹事長の講演会に呼ばれたコトー先生が数日診療所を留守することになり、その間に島で食中毒が発生して大ピンチに陥りつつも、看護師の星野さんがなんとか対処して乗り切る奮闘記。星野さんはこのことがきっかけで医師免許取得を決意。

コトー先生が島にやってきて1年半が経過した頃、古志木島を一大リゾート地にする計画が持ち上がる。

・15番目の手術:重野秀之
ホーネン開発統括本部長。パニック障害の発作を起こして診療所に運び込まれたが、コトー先生の診察の結果、重度の心臓病と判明。

島の開発計画のためにやってきたメガネの中年男性。実は30年前に島で起きた痛ましい水難事故のことで島民たちを恨んでいて・・・。

30年前、まだ子供だった漁師の原さんのお兄さんが海で溺れているところに重野さんのお父さんが通りかかって助けに入るも、力尽きて二人とも溺死。というのが重野さんの記憶に残る水難事故だったのだけど、真相は全く違っていて、重野さんが溺れているところに父親と原さんのお兄さんが助けに入って溺死したとのこと。ショックから記憶を塗る替えてしまったらしい。

真相を知った重野さんは茫然自失。手術の後、酷い言葉をぶつけた原さんに謝罪し、島に不幸しかもたらさない開発計画も中止に。


6巻はツチノコ探しに出かけたタケヒロと付き添いのコトー先生が崖下に転落して大怪我を負うお話と、役場主催のお見合いツアーのお話。


・16番目の手術:コトー先生(自分自身)
タケヒロを庇って崖下に転落して大怪我を負ったコトー先生が、真っ暗い洞窟の中で懐中電灯の明かりだけで麻酔もないまま手術を敢行。朝まで待っていたら、足が腐ってしまうからと。

その後、島民が二人を救出し、診療所へ到着すると、内臓も破裂していたコトー先生は鏡を見ながら自分で緊急手術。手術は無事成功したことが伝えられると、診療所の前に集まった大勢の島民は安堵し、一斉に歓声を上げる。


二つ目のエピソードは島の嫁不足解消のために定期的に開催されている島外女性との婚活パーティの顛末。

島民はシゲさん、和田さん、原さん、コトー先生の4人。シゲさんはおじいさんだし、他もクセが強いけど、女性陣も訳ありばかり😅

原さんと意気投合しつつも実は既婚者だった大食いの立川さん、美味しいものが食べられると聞いて参加した女子大生・かおり、メンヘラ気味のOL(未婚の母)・かすみ、大学院で海洋生物学を研究する黒髪メガネの環。

この中で意外な組み合わせだけど相性抜群なことが判明する環と和田さんがゴールインしてレギュラー化。

・17番目の手術:藤井かすみ
古志木島のお見合いツアーに参加した女性。豊胸手術で埋入異物後遺症を患っていることに気づいたコトー先生が、6年前に入れられたシリコンの除去手術を行う。

別れた元カレとの子供を妊娠中のかすみは、コトー先生に言い寄ろうとするが、諭されて一番大切なことは何かに気づき・・・。

最後のエピソードは離島に移り住んだ環を心配した両親が訪ねてくるお話。娘が自分とあまり年が変わらない和田さんと同棲していることを知って激高する父。売り言葉に買い言葉とはいえ、御湯呑を娘の顔面に投げつけるDVにはドン引き😰


・18番目の手術:西尾環
大学院で海洋生物学を研究する黒髪メガネの女性。大の猫好きで生物に詳しい和田さんと意気投合して恋仲に。

結婚を反対する父と大喧嘩した直後に急性虫垂炎+腹膜炎で倒れてコトー先生に救われる。

和田さんの頑張りが功を奏し、父と和解し、一月後に結婚する二人。





2022年1月10日月曜日

山田貴敏『Dr.コトー診療所』第3・4巻あらすじ&ネタバレ感想


Dr.コトー診療所 4

3巻は22~33話収録。今回は島で凶悪犯罪が発生し、人質になったコトー先生と看護師の星野さんが絶体絶命のピンチに陥る事件簿と、島になかなか馴染めない都会から来た小学校教諭のお話と、漁労長シゲさんの息子のお話。

芦田代議士が2憶もするESWL(結石患者のための医療機器)を診療所に送ってくれてコトー先生が浮かれていた頃、島の岬で難破船が発見され、駐在が島民に怪しい人物を見かけたら呼びかけるように声をかけてまわっていた。

・9番目の手術:密入国者

その夜、診療所に3人の男が現れ、その中の1人は大ケガを負っていたのでコトー先生が応急手当をして本土へ移送しようとしたところ、付き添いの男たちが銃を取り出し、コトー先生と星野さんを人質にとって診療所に立てこもる凶悪事件が発生。

異変をなんとか島人に知らせようとする二人と、それを阻止しようとする男たちのスリリングな攻防戦。コトー先生は漁に出ている原にこっそり信号を送ったり、ESWLを爆発させて異変を周囲に知らせようとして・・・。

男たちは密入国の手引きをする組織から金を奪って逃げてきた中国人たちと判明。付き添いの二人は怪我を負った男をめぐって仲たがい。

最後は星野さんを逃がすためにすすんで人質になったコトー先生が、男たちによって拘束され、盗んだ船に監禁される緊迫の事態に。原の呼びかけで集まったたくさんの島民が船を取り囲むようにありったけの漁船を使って駆けつけるシーンはかなり芝居がかっているものの、絶妙にスカッとする感動的なシーン。

1巻から海の男・原さんの男気が炸裂しっぱなし😃

貴重なESWLが一度も使われることなく、ボロボロになってしまったのには苦笑しつつも、人の命に比べたら安いものだというコトー先生の言葉にじんわり。


・10番目の手術:小学校教諭の息子・小沢マサト
島の暮らしに馴染めずに夫婦喧嘩が絶えない両親とのギスギスした生活に必死に耐えるメガネの優しい男の子。同級生たちと仲良くなりたくて一人でキノコを探しに出かけて崖から転落。第一発見者の子供たちからSOSが届き、コトー先生が現場に急行して応急手当をしたことで、一命をとりとめる。

心配した大勢の島民たちが診療所に駆けつけ、手術の成功を家族のように喜ぶ姿に涙を流す両親。

これ以降の小沢先生は児童に分け隔てなく接する優しい先生になるのだけど、それ以前の先生があまりに無責任すぎて...。島の暮らしに馴染めず、3月病でイライラが溜まって何も悪くない教え子のタケヒロを思いっきり殴打😰

このシリーズは人と人との絆や人情を描きつつも、大人が子供を安易に殴るシーンがよく出てくるのが玉に瑕。まるで大したことではないかのように、ごく自然に出てくるのが嫌だなと。


・11番目の手術:シゲさんの息子でカメラマンの安藤伸幸
漁労長のシゲさん(安藤重男)の息子。帰省中に父に半ば強引に頼まれて漁船に同乗中に網に引っかかった不発弾が爆発して腕が吹き飛ぶ重傷を負う。

無線で助けを求めてきたシゲさんにコトー先生が応急処置の仕方を丁寧に教え、シゲさんが内心の動揺をなんとか抑えて、伝えられた通りに処置したおかげで一命をとりとめる。その後、診療所に運ばれ、腕の接合手術も無事成功。

この一件でほんの少しコトー先生に対する態度が軟化するシゲさんだけど、その後も息子の命の恩人であるコトー先生をヤブ医者呼ばわりする口汚い頑固親父。息子の伸幸は父に似ず温厚な人。

3巻は偶然が重なって洞窟で一晩明かすことになるコトー先生と星野さんのほんわかエピソードも収録。この頃から二人は両想いだったのかな😉


4巻は34話~44話収録。コトー先生のかつての上司・天津堂大学付属病院の第一外科部長の奥村医師が、次期院長の座を確実なものにするために、重病を患う大物政治家の難しい手術をコトー先生に依頼し、手柄を横取りしようと企むお話。

奥村からの再三の要請に折れて東京に向かったコトー先生の前に思わぬ伏兵が登場。かつて自分が受けた屈辱を晴らそうと画策する後輩・三上の陰謀が待ち受けていて・・・。


・12番目の手術:自明党の熊谷幹事長
スキルス胃癌患者。手術の第一助手はコトー先生を逆恨みする三上先生。三上先生が検査結果を偽って報告するなど波乱の展開になりつつも、コトー先生は平常運転で妨害を跳ねのけて難しい手術を成功させる。

そんなコトー先生に感銘を受けた三上先生は、大学病院の記者会見で執刀したのは自分だと嘘をつく奥村医師の言葉を遮り、執刀医は離島の診療所から招いたコトー先生だったと真実を暴露。

すっかり心を入れ替えた三上先生はコトー先生を目指して離島診療を志すように。


・13番目の手術:悠子ちゃんの父・奥田さん
 工事の現場監督。娘はタケヒロやクニちゃんの同級生。

10数年前にエキノコックスに感染した飼い犬のゴローから感染した模様。島内の鹿やネズミがグロテスクな(腹から内臓が飛び出す)姿で死んでいるのが次々に見つかり、大騒ぎに。人から人には感染しないとのことで島内の感染者は奥田さんのみ。

父親がエキノコックスに感染したことで小学校でイジメられるようになった悠子ちゃんをクニちゃんが男らしく守る一方、大人しいタケヒロも悠子ちゃんの味方に。悠子ちゃんはクニちゃんとタケヒロの初恋の人。悠子ちゃんとクニちゃんは両想いだけど、クニちゃんはタケヒロに遠慮して二人をくっつけようとしたりするなど、何とも甘酸っぱい恋模様が進行中。

父親の奥田さんはコトー先生にエキノコックスに感染した患部を除去してもらい、無事回復するも、今度はエキノコックスの感染源として飼い犬のゴローが殺処分されるかもしれないと知った娘の悠子ちゃんが、ゴローを隠そうと山に逃げ込んで崖から転落。

体重が軽かったからか、幸いにも軽傷で済んだのだが、ゴローは悠子ちゃんを救うために老体に鞭打ったせいで、その日の夜にひっそりと衰弱死。

今回もコトー先生のおかげですべての問題が無事解決したものの、どうしても一つ気になるというか、腑に落ちないことがあってモヤモヤ。エキノコックスに感染したゴローのウンチを誤って少し食べてしまったタケヒロのこと。

まだ子供のタケヒロがこのことを大人にちゃんと告げたかどうか、あるいは検査してもらえたかどうかが描かれていなかったのがモヤるなぁと。潜伏期間が最長10数年もあるというから、これが悲劇の伏線とかにならないといいけれど・・・。

最後の44話は増生島に赴任した三上先生の離島医療奮闘記。日々悩み挫折を繰り返しながら一生懸命島民に寄り添い、診療に当たる三上先生の奮闘ぶりにホロリ。

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