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2022年8月31日水曜日

菅野文『薔薇王の葬列』第14巻ネタバレ感想


薔薇王の葬列 14

第61話~65話収録。 

 リッチモンドの暗躍により、リチャードとアンの息子・エドワードに不義の子疑惑が広まる中、リチャードからエドワードの出生の秘密を打ち明けられたバッキンガムは、エドワードがランカスターのヘンリー王の孫(息子の子)だと知り、秘密はないと誓ったはずだと怒りをあらわに。

血がつながらなくても自分を父として慕う可愛いエドワードを守ろうとするリチャードに対し、廃嫡するように迫るバッキンガム。

そんな中、体調を崩したリチャードは両性具有であることを隠すために医者ではなくジェーンに診察してもらったところ、妊娠の可能性があると告げられ・・・。 

複雑な生い立ちのせいで母になる喜びや母性が湧きおこらず、ただただ絶望的な表情を浮かべるリチャードがなんとも痛々しかったです。

悪魔の身体に宿るものは悪魔以外にありえないと思うなんて...。母セシリーの呪いがここまでリチャードを苦しめるという、やるせなさ。 

その後も事態はどんどん不穏な方向へと動き出します。 

リチャードから妊娠しているかもしれないと告げられたバッキンガムは、リチャードとお腹の子を守るためにリチャードを自分の城に監禁。異変に気付いたケイツビーが駆けつけてリチャードは開放されるものの、心が通じ合ったはずのリチャードとバッキンガムはどんどんすれ違っていき・・・。 

 バッキンガムの恋する男としての独占欲 VS 妊娠疑惑で精神不安定になって闇堕ち寸前のリチャード。そこに不思議ちゃんと化したティレルがまとわりつき、愛を教えてほしいとバッキンガムに懇願するという予測不能な三つ巴。

主要登場人物それぞれの行く末が気になります。一人でも多く生き残ってほしい…。



薔薇王の葬列 14


2022年8月29日月曜日

菅野文『薔薇王の葬列』第13巻ネタバレ感想


薔薇王の葬列 13

第56話~60話収録。

政敵を次々に消し、ついにイングランド国王になったリチャード(リチャード三世)。 

 ずっと望んでいたものが手に入ったはずなのに、浮かぬ顔のリチャードとバッキンガム。 王の務めとして今夜アンを抱くとバッキンガムに告げるリチャードだけど、どうしてもその気になれず、疲れたふりをしてアンと同じベッドで就寝。

その夜、リチャードとアンの寝所に忍び込んで二人のことをのぞき見していたバッキンガムは耐え切れなくなって部屋を後にし・・・。 

リチャードを誰よりも愛していることを今更ながら自覚して苦悩するバッキンガムと、アンよりもバッキンガムと一緒にいたいと強く思うリチャード。 そんな二人は新王即位の祝宴が開かれる中、宴を抜け出して森で愛し合い・・・。 

気持ちが通じ合ったリチャードとバッキンガムだけど、リチャードがイングランド王になったことで今まで通りの関係ではいられなくなっていくという悲劇的展開。 

 久しぶりに新キャラ登場。ランカスターの復活をもくろむリッチモンド伯爵。道化師として二人の前に突如現れるという意表を突く登場の仕方。正直あまり賢そうに見えませんが、侮れない人物なのでしょうか。

恋愛方面は束の間の逢瀬に燃え上がるリチャードとバッキンガムと、リチャードが何か秘密を抱えているのではないかと感じ始めるアンとの不穏な三角関係。厳密にいえば、ティレルとケイツビーもいるので五角関係ですが...。

ケイツビーとリチャードの間には特別な絆と愛情があるようですが、主従なので恋愛に発展する可能性は低いのかなと。 

 リチャードの中でバッキンガムの存在がどんどん大きくなる一方で、ティレル(ヘンリー)が今後どう動くのかも気になるところ。相思相愛のまま引き裂かれたロミジュリ的関係のヘンリーが実は生きていることを知ったら、リチャードはどうするのか。 

 バッキンガムの本名も実はヘンリーだったことが判明。今頃になってそれを明かす演出がなんとも意味深。 

 主要登場人物が皆不幸を背負っている感じなので、どう転んでもハッピーエンドにはならない雰囲気が濃厚ですが、せめて次世代の子たち、可愛い息子のエドワードと頑張り屋のベスには幸せになってもらいたいです。

2022年8月28日日曜日

赤瓦もどむ(日向夏原作)『神さま学校の落ちこぼれ』第4巻第18話あらすじ&ネタバレ感想


神さま学校の落ちこぼれ

なんとメガネのガラン先生とナギが親戚だと判明。ナギ母の従姉妹がガラン先生の母親ということで、ガラン先生とはまた従兄妹になるみたい。

そして、ナギの担当教官はナギ本人の希望通りツクヨミ様に内定していたのだけど、生徒たちの間でツクヨミ様の人気が異様に高いことへの配慮と、現実問題として超マイペースで天然なツクヨミ様に果たして教師が務まるのかという不安要素もあり、表向きはガラン先生の名前が掲示されたのだとかw

今回のツクヨミ様も癒し効果満点でした。
  

2022年8月24日水曜日

ためこう『ジェンダーレス男子に愛されています。』第5巻第45話あらすじ&ネタバレ感想


前回に引き続き、めぐるとささめのボイトレ講師で祥伝歌劇ファンのかっこいいお姉さま・岬さんがメインのお話。

桜子がキラと付き合っていることを知ってショックを受ける岬さん。

桜子のことをそういう意味で好きだったんですね。

失恋してすっかり憔悴しきった様子の岬さん。ささめと観劇に行く約束をしていたことも失念してしまい・・・。

連絡がつかず、岬さんの自宅を訪ねてきたささめは、よれよれ状態で応対した岬に驚愕w

岬さんから事情を打ち明けられたささめは、戦いましょうと叱咤。かっこよくない師匠なんて師匠らしくないと。

どうやら岬さんに叱咤激励は必要なかったみたいです。観劇のことを思い出すと、あっという間にいつもの岬さんに😉




2022年8月23日火曜日

中原アヤ『狼に鈴』第2巻第8話あらすじ&ネタバレ感想


狼に鈴 2

2巻収録第8話:

狼谷くんの不倫疑惑も晴れて、ますます狼谷くんに惹かれていく鈴。

そんなある日、友人の若葉から富吉さん(狼谷くんの前職の先輩)を紹介してほしいと頼まれる鈴。話の流れで若葉と富吉さんと狼谷くんと4人でキャンプに行くことになり・・・。

私服のセンスが独特な富吉さんw

鈴の実家がお好み焼き屋さんだと知った狼谷くんに今度連れて行ってくださいとお願いされて嬉しそうな鈴。

キャンプ中、さらに踏み込んだ発言までされ、ドキドキ。あと一歩のところまで来ている両片想いのやりとりがじれったいけど、それも二人らしくて微笑ましかったです。





東村アキコ『銀太郎さんお頼み申す』第1話あらすじ&ネタバレ感想


ココハナ 2022年9月号 電子版

今回は着物女子。ココハナ10周年の記念読み切り「おんな追分」の続編。もっと読みたいという読者の声で連載化されたそうです😉

ヒロインはカフェ勤務の25歳のメガネ女子・岩下さとり。

勤務先のカフェにお客さんとしてやってきた着物美人に憧れ、着物について一から教わるメガネ女子・さとり。

着物美人に弟子入りしてしばらく経つものの、秘密主義者の師匠はまだ本名さえ明かしてくれずw

師匠がヨシエ先生と呼ぶおばあさんのところで流水柄の着物を選んで着せてもらい、師匠と一緒に向かった先は「銀太郎 ごのみ 器展」。

さとりはそこでお客さんにお茶出しする助っ人要員として連れてこられたようですが、実は店主の銀太郎=師匠だったことが判明。

銀太郎は師匠の芸妓時代の名前らしい。京都で有名な芸妓だった師匠に改めて着物と「女の道」全般を教わりたいとお願いするさとり。

絵で魅せるだけでなく、師匠もヒロインのキャラも魅力的で、やりとりの一つ一つが丁寧に描かれている質の高い漫画。


ココハナ 2022年9月号 電子版


ココハナ 2022年3月号 電子版

2022年8月20日土曜日

いがらしゆみこ『アンはアン』全3巻あらすじ&ネタバレ感想


作品名 : アンはアン
漫画家 : いがらしゆみこ
出版  : 全3巻 講談社
(1985年5月・12月・1986年1月)
ジャンル: 80年代のアメリカ
トーン : シリアス せつない
試し読み: アンはアン

[あらすじ]
アンの両親は別居して、ニューヨークとテキサスに離れ離れ。アンは普段はママのいるニューヨーク、夏休みはパパのいるテキサスですごしていた。何とか二人を仲直りさせたいアンは、色々と知恵をしぼるけど上手くいかない……。 パパもママも大好きなアンの健気な戦いと苦しみ、それを乗り越え大人になっていくまでの心打つ愛情レポート!

[感想]

別居中の両親を仲直りさせようと奮闘する13歳の女の子が主人公。

両親に愛されたい一心で母と暮らすニューヨークでは母好みのボーイッシュな女の子を演じ、父と過ごすテキサスでは父が喜ぶ可憐な女の子を演じるアン。そんな努力もむなしく、離婚調停中の両親はどちらもアンを引き取りたくないと露骨に押し付け合う始末で、アンを何度も傷つけ・・・。 

 両親からの愛情を十分に受けられなかったことで、情緒不安定になったアンが愛着障害的な奇行に走る姿がなんとも不憫で痛々しく、読んでいてしんどくなる展開でしたが、2巻後半からは身勝手な両親のもとを離れた14歳のアンが優しい大人や掛け替えのない仲間と出会って精神的に成長していく姿がいきいきと描かれていて、心がじんわり温かくなりました。 

父が短期間雇った家庭教師のミス・メリーの人間性が素晴らしく、彼女の存在に救われるアン。ミス・メリーが所属する小さな劇団に入ったアンは、舞台女優としての才能を開花させていくとともに、まだ無名ながら才能溢れる若き演出家兼俳優のロリポップに恋をし・・・。 

 ヒロインの恋の相手としてテキサスにいる幼馴染みのジョエル、ニューヨークで何かとアンを可愛がって支えてくれた美貌のボウイ、そして訳ありのロリポップが登場。 

このうち、お淑やかなアンをお嫁さんにしたいと思っていたジョエルは、奇行が目立つようになったアンにたちまち失望して早々に脱落。残り二人との関係・恋の行方は最後まで読めない展開になっています。 

 何があっても変わらぬ愛を貫くボウイと、アンが初めて本当の意味で恋をした相手・ロリポップ。 

少女漫画でおなじみの嫌な当て馬女子も複数登場。ジョエルとの仲に嫉妬して男性3人組にアンを襲わせる(未遂)腹黒テキサス女子・ゾゾ、ロリポップに片想いしてアンを蹴落とそうとする劇団員のブルーベル、寄宿舎学校のいじめっ子たち...。

ほとんどの腹黒女子たちは反省する機会があっても全く改心することなく、嫌な女のままでしたが、ブルーベルだけは例外。アンとのやりとりの中で人間的に成長していく姿が見れてほっこりしました。

クライマックスの演出が特に良かったです。大きな悲劇を乗り越え、万感の思いでピーターパンを演じるアン。「アンはアン」というタイトルに込められたメッセージがしみじみと伝わってきました。


アンはアン 1


アンはアン 2


アンはアン 3



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